ウェールズの食文化と伝統に出会う秋|Wales Now Vol.5

発行日:2016. 10. 03

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。

阪急百貨店「英国フェア2016」告知(博多・大阪)

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毎年恒例、大人気の阪急百貨店「英国フェア」(博多・大阪)。2016年は過去最大の規模でウェールズが取り上げられます。特にウェールズより約20社もの企業が出展、約10人のウェールズの職人、シェフ、そしてハーピストがやってくる阪急うめだ本店は、ウェールズ・カラーに染まります。日本初上陸の品々との出会いもお楽しみください。

<博多阪急「英国フェア2016」>
日時:10月5日(水)~9日(日)
場所:博多阪急 8階催場

<阪急うめだ本店「英国フェア2016」>
日時:10月12日(水)~18日(火)
場所:阪急うめだ本店 9階催場・祝祭広場

英国フェア2016:http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/britishfair2016/

※「英国フェア2016」へのお問い合わせは各阪急百貨店まで

ツーリズムEXPOに北ウェールズ観光協会会長が来日

9月23日〜25日に行われた「ツーリズムEXPOジャパン2016」(東京ビッグサイト)のために、北ウェールズ観光協会会長ジム・ジョーンズ(Jim Jones)さんが来日しました。昨年のコンウィのご紹介に続いて、今年は北ウェールズ全体の魅力をお伝えするセミナーを開催。多くの方にご参加いただきました。

「昨年、コンウィが『ヨーロッパの美しい村30選』に選ばれたことは、私たちにとって大変光栄なことでした。北ウェールズを訪れるツアーを検討してくださる日本の旅行会社さんも増えているんですよ。この素晴らしい”お祭り”を一過性のもので終わらせないために、この度、もう一度日本にやってきました。日本は美しい心を持った人たちが住む、豊かな国ですよね。必ずまた来ます!」

ジムさん来日2016


“今年は、史上最大の規模でウェールズを取り上げます。”

阪急百貨店「英国フェア」企画担当 桑原 渉(Wataru Kuwahara)さん

阪急百貨店「英国フェア」企画担当 桑原 渉(Wataru Kuwahara)さん


日本とウェールズの架け橋となる人々をご紹介します。今回のゲストは、イギリス・ファンにはお馴染みとなった阪急百貨店「英国フェア」の企画を担当する、桑原 渉さんにお話を伺います。桑原さんが担当してから13回目となる今年(フェア自体は49回目)、過去最大の規模でウェールズを取り上げるそうです。


ー 桑原さんとウェールズとの関わりは?
正直に言うと、これまであまりなかったんです。僕が担当してから昨年まで、「英国フェア」ではウェールズのものの取り扱いは、ほとんどゼロ。"英国"と言いつつも、本当のところは「イングランドとスコットランドフェア」だったんですよ。

しかし、最近はなんだか新しい発見がないなという不満が、僕自身の中にありまして。イギリスは4カ国の連合国だというところを、もっと見せていきたいとも思っていました。そういうことで今年は、ウェールズを史上最大の規模で取り上げます。

ー 昨年は1回、今年は2回もウェールズに行かれたそうですね。
渡英回数は30回近いのですが、これまでウェールズにはほとんど行ったことがなかったので。昨年はウェールズの南、今年は北と西に行きました。

初めてブレコンビーコン国立公園に行ったとき、目の前に広がるあの景色に感動して、唖然としましたね。湖水地方ともコッツウォルズともまた違います。イギリスは各地方でこんなにも景色が違うのかと驚きました。

北には山あり、西には海あり。風光明媚ですね。北では「ウェールズを知るにはスノードン山に登らなくては」と言われて、頂上まで登ったんですよ。霧と雨の残念な天気(笑)でしたが、ちょっと霧が晴れたときに現れた渓谷を見て「これが『天空の城ラピュタ』の舞台か」と実感しました。

ー 今年の「英国フェア」のために、どんなウェールズの品々を発見しましたか。
ウェールズといえば、まずはチーズと黒ビール。「ウェルシュ・レアビット」などウェールズらしい食文化を紹介していきます。さらに注目したのは「のりを食べる文化」です。岩のりのペースト「ラヴァブレッド」ですね。イングランドにもスコットランドにも絶対ないので、ウェールズの食文化を紹介するには欠かせないアイテムだろうと、僕の第六感が働きました。

桑原 渉さんの英国出張ブログより

桑原 渉さんの英国出張ブログより

「ウェルシュ・ブレックファースト」という、ラヴァブレッドにオーツを加えて焼き上げて、ソーセージやベーコン、卵のお供にする食文化があるんですね。塩辛さを緩和してくれて、なかなか旨いんですよ。

それから西ウェールズの「ロブスター・ロール」。バターとラヴァブレッドをロブスターに混ぜ込んで、焼いてバーガーにして食べるんです。アイリッシュ海峡に面した「ザ・ペンブルックシャービーチフード」という会社の方に教えてもらいました。こういうところにも、のりを使うとは実に驚きました。

ー ウェールズの人たちとの思い出は?
「ザ・ペンブルックシャービーチフード」のオーナーのお母さんがね、味があって良いんですよ。ちょっとぽっちゃりしていてニコニコ明るくて、いかにも「ウェールズのお母さん」という感じでね。フェアのために来日してくれるので、人気者になるかなあと期待しています。

ー「英国フェア」に来場される皆さんに、メッセージをお願いします。
僕はウェールズのものを日本に紹介はできるけど、根付かせることはできないんです。だから皆さんも一緒に、「ウェールズ産」をどんどんアピールして、日本に根付かせてほしいですね。そうしたら「この商品、日本に初めて持ってきたのって誰? 俺や!」って、自慢できますしね(笑)。

英国フェア2016:http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/britishfair2016/


輸入を決めたウェルシュ・ブラック(右)とウェルシュ・ゴールド(左)

日本初上陸のクラフトビール「ウェルシュ・ブラック(右)」と「ウェルシュ・ゴールド(左)」

あの素朴な味と人々を応援したい
ウェールズのブルワリーを旅して


創業80年の歴史ある酒類総合商社である、株式会社キムラ(広島)。これまでスコットランドやスペインのビールの輸入してきましたが、今年からウェールズのビールとアップルサイダーの輸入を始めるそうです。きっかけは、専務取締役の木村拓平さんがウェールズの素朴さに心打たれたから。


株式会社キムラ 専務取締役 木村拓平(Takuhei Kimura)さん

株式会社キムラ 専務取締役 木村拓平(Takuhei Kimura)さん

旅気分でウェールズのブルワリー巡り
 出張とはいえ一人旅のような気分で、列車で移動しました。ウェールズは景観が美しかったですね。

 ブルワリーの人たちは、とても素朴だと感じました。一生懸命に説明をしてくれたり、一緒にお食事をしてくれたり。ちょっと慣れていない感じもしましたけど(笑)。それは輸入業社としては、安心だなと思いましたね。

今、素朴なクラフトビールが必要
 輸入を決めたクラフトビールは、北ウェールズの「 ザ・グレートオーム・ブリュワリー(Great Orme Brewery)」社の「ウェルシュ・ブラック(Welsh Black)」と「ウェルシュ・ゴールド(Welsh Gold)」の2種類です。ブラックは焙煎された麦が香ばしく、余韻があるけどスッと消えていく上品さがある、きれいなビールです。ゴールドは、ちょっとした苦味がほどよくて、 何度でも飲みたなくなるペールエールです。

旅の途中で見かけた古城(撮影:木村さん)

アップルサイダーの会社の近くで見かけた古城(撮影:木村さん)

 ペールエールといえば最近、IPAが世界的に人気ですよね。もっと香りを強く、インパクトを強く、とエスカレートしている。まるで戦闘能力がパワーアップし続けるアニメみたいで……。IPAはおいしいですが、それ一辺倒になるのもどうかと。疲れている人もいらっしゃるかもしれません。僕は素朴なビールのほうが好きですし、皆さんにも長く愛してもらえると思っています。

「完璧なアップルサイダー」との出会い
 南ウェールズでは、夫婦でやっていらっしゃるアップルサイダーの会社も訪れました。びっくりしましたね。完璧なサイダーに出会ったんです。辛みも酸味も強すぎず、ピュアな味。美しいサイダーです。

 聞けば旦那さんがアレルギーのためビールが飲めないそうで。すると必然的に、彼のサイダーへの情熱ってばすごいんですよ。「 最高においしいサイダーを」と、一途な想いで作っていらして。朝から晩まで、黙々と働かれている姿を見ました。

 2014年に商品化されてから、さまざまな国際大会で賞を獲ってらっしゃいます。僕はあまり受賞歴って気にしないんですけど、ああいう純粋な想いで地道に作っている方々が受賞されたと聞いて、嬉しくなりました。人生って素敵だな、って思えますよね。

 これから始めるウェールズのアップルサイダーの輸入は、日本で初めてになります。日本ではサイダー自体がまだ浸透していないので、こういう素敵なサイダーをご紹介することは、キムラの会社としての使命だと感じています。

ウェールズの生産者と商品を応援したい
 今、クラフトビールやローカル色の強い酒類が世界的にブームです。実は「ブームに乗っかって儲けよう」という感じの会社も、結構多いんです。でもウェールズでは、どこも本当においしいものを、じっくりと作っていらっしゃる。地元のパブを巡って、日常的に愛されていることも知りました。

ザ・グレートオーム・ブリュワリーのジョナサンさん

ザ・グレートオーム・ブリュワリーのジョナサン・ヒューズ(Jonathan Hughes)さん

  こういう素朴な商品は、目立たないので埋もれてしまうことも。それに、善い人たちって損をしやすいものです。だから僕はウェールズの人たちや商品を、応援してあげたいなと思いました。
 
 ウェールズは水もきれいです。ビールとサイダーが定着したら、いずれはミネラルウォーターの輸入もしてみたいですね。

株式会社キムラ:http://www.liquorlandjp.com


\ウェールズにもオーロラが現れる/

ウェールズのアングルシー島でオーロラ_s
ウェールズの一部の地域には、ときに美しいオーロラが現れます。今年3月には北ウェールズのアングルシー島で見事なオーロラが観察され、息を呑むような美しい写真や動画が、BBCニュースや写真投稿サイトを飾りました。

編集後記

今年の阪急百貨店「英国フェア」は、ウェールズ・ファンなら見逃せませんね。桑原さんの英国出張ブログを読むと、輸入品がデパートに並ぶまでのご苦労に驚かされます。同時に、ウェールズの風景の美しさにも感動。待ちきれない方は、開催まで「読書の秋」も楽しんでみては?

次回は10月18日に発行予定です。お楽しみに!

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