日本食とウェールズが変える英国の食品産業|Wales Now Vol.31

発行日:2017. 11. 27

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。

ラグビーワールドカップ2019の試合日程が発表

11月2日、ラグビーワールドカップ2019の試合日程が発表されました。ウェールズ代表チームはオーストラリアを含むプールD、 初戦は2019年9月23日(月)のジョージア代表との対戦です。詳細は公式サイトでご覧になれます。

Rugby World Cup 2019: https://www.rugbyworldcup.com/fixtures

新しいiOSにウェールズ国旗の絵文字が登場

11月11日、Apple社より発表されたiOS 11.1で、ウェールズ国旗の絵文字が登場しました。これまでのユニオン・ジャックの絵文字に加えて、イングランド、スコットランド、そしてウェールズ国旗の絵文字が新たに追加されました。iOS 11.1を搭載したiPhoneとiPadでお使いになることができます。


カーディフ・メトロポリタン大学 食品産業センター(Food Industry Centre)センター長、ディビッド・ロイド(David Lloyd)教授


“日本食は、これからの英国の食品業界を
変えていくことができます。”


回転寿司は、もう古い。トレンドに敏感なロンドンでは、豚骨ラーメン、讃岐うどんの専門店が相次いで進出。最近ではカツカレーまで上陸し、今や日本のカレールーが大手スーパーの棚に並んでいます。日本食は着実に、そして急速に浸透しているのです。今後、日本食にはどのような可能性があるのでしょうか。英国の日系食品企業へのサポートを行うカーディフ・メトロポリタン大学 食品産業センターでセンター長を務めるロイド教授に伺いました。


ー ロイド教授の自己紹介をお願いします。
カーディフの出身で、3人の息子がいます。趣味はゴルフとフットボール観戦です。家のリノベーションも大好きで、1750年に建てられた家を購入して、2年の歳月をかけて自らリノベーションをしたこともあります。今はバケーションハウスとして、観光客の皆さんにお貸ししています。

ー 食品産業センターのご紹介をお願いします。
食品産業センターは、首都カーディフに位置するカーディフ・メトロポリタン大学の構内にあります。食品飲料産業のバリューチェーンの川上から川下まで、専門スタッフが食品メーカーの事業展開をサポートしています。サポートの対象はウェールズに拠点を置く企業がメインですが、条件次第では、これから英国・欧州マーケットへの進出を検討している企業も含まれます。

当センターはベーカリー(製菓)、乳製品、食肉加工の3分野に大きく分かれており、各分野の専門的な知識とノウハウを持っています。年間100-130にのぼる食品・飲料・フードサービス・加工機械メーカーからの問い合わせに対応しています。その内容は消費期限の問い合わせから新製品開発に至るまで、多岐にわたります。これまで過去5年間で、500以上の新製品開発に携わりました。ここまで産業にフォーカスした食品センターは、英国でも特異な存在です。

ー どのような設備をお持ちですか。
1Fにはパイロットスケールの生産ライン、2Fには新製品開発キッチン、そして製品の味覚評価をするブースを完備しています。今年12月には、バーチャルリアリティ技術を駆使した、バーチャル・スーパーマーケットを立ち上げます。これによって、実際に商品を置いた場合の、消費者の視線や購買行動を観察することができます。パッケージングのデザイン変更やリブランディングの際に、大変役に立つ施設です。

なお、ウェールズには、我々のセンターを含め3つの食品・飲料関連のセンターがあります。これはウェールズ政府の食品・飲料産業育成に関する高いコミットメントの表れであると理解しています。

Cardiff Metropolitan University 公式サイト 「ZERO2FIVE」より

ー これまでに日本企業へのサポートの事例は?
過去に何社かお手伝いをさせていただきました。一番思い出に残っているのは、カルビーのウェールズ進出です。欧州初の生産拠点立地に向け、原材料の調達・テスト生産、製品評価、そして法律的なアドバイスをしました。最終的に進出先としてウェールズを選択していただいたときは、本当に嬉しかったですね。

ー 今回(10月)の来日の目的を教えてください。
日本食品・飲料メーカーの皆さんに、ビジネスの場としてのウェールズの魅力を知っていただくためです。今回で3回目の訪日ですが、10月に大阪と東京で開催された「食品産業ビジネスセミナー」(ウェールズ政府主催)」で、スピーカーとして登壇しました。英国・欧州における日本食のビジネスチャンスや、そのためのサポートについてお話をさせていただきました。

英国における日本食品マーケットは。今後5年間で急伸すると予想されています。日本食レストランの数が増えているということは、小売部門でも成長が見込めます。日本食は、これからの英国の食品業界を変えていくことができると、私は考えています。
 
ー 企業との連携において、何を大切にしていますか。
まずは、信頼の構築ですね。当センターの職員の多くが食品小売業の経験者で、マーケットのトレンドやギャップをよく把握しているので、適切なアドバイスをいたします。また、当センターはウェールズ政府と密な連携を図っているので、食品に関する法律などの情報入手は迅速に行っています。

ー 日本の読者にメッセージをどうぞ。 
当センターからの技術的なサポートはもちろん、ウェールズ政府も進出企業へ様々なサポートプログラムを提供しています。しかしながら、ウェールズが提供できる最大の魅力は、何と言っても水資源に恵まれた自然環境ですね。水は食品産業には欠かせない条件です。是非ウェールズへお越しいただき、センターを視察して、その魅力を体感してください。そのときは、私のバケーションハウスをお貸ししますよ(笑)。

カーディフ・メトロポリタン大学 食品産業センター(ZERO2FIVE): http://www.cardiffmet.ac.uk/health/zero2five/Pages/default.aspx


カーディフ大学国際部マネージャー、シャーン・キーピン(Sian Keepin)さん


“到着したばかりの世界中の学生さんたちをキャンパスに案内するときが、私にとって最高の瞬間です。”


首都カーディフに位置するカーディフ大学(Cardiff University)は、設立1883年の歴史を持ち、ウェールズ語ではPrifysgol Caerdyddと表記します。世界のトップ100大学にランクインする、ウェールズを代表する高等教育機関です。この度初来日した、カーディフ大学国際部マネージャー、シャーン・キーピン(Sian Keepin)さんにお話を伺いました。


ー 自己紹介をお願いします。
カーディフ大学に南アジア・東南アジア担当のマネージャーとして、2013年から勤務しています。スワンジー大学で歴史と政治を学び、卒業後から様々な教育機関のリクルーティングに携わってきました。4人の子どもの母親でもあります。この緑の丘に囲まれた地で、仕事と子育てができることを幸運に思っています。

ー カーディフ大学では、どんなお仕事をされているのですか。
カーディフ大学のプロモーションにまつわる、マーケティング、共同研究やパートナーシップの模索、そして留学生の入学に関する業務を担当しています。

ー カーディフ大学についてご紹介いただけますか。
カーディフ大学は、ヨーロッパの中でも特に文化的で生活水準が高いことで知られる、ウェールズの首都カーディフの中心部に位置しています。カーディフの中心部は古き良きカーディフ城の砦から、モダンなカーディブ・ベイまで広がっており、文化、食、建築、エンターテイメント、そして歴史の魅力が溢れています。

学術に関しては、英国の研究重点大学の中でもトップレベルで、名門大学連合である「ラッセルグループ」のメンバー校です。英国の高等教育機関の研究評価を行うREFの調査では、国内で2番目に研究の影響力を持ち、5番目に優秀な研究をしていると格付けされました。教育方針としては、学生自身の興味を大切にしており、世界レベルのチューターや専門家による個人指導が受けられます。

また、学生自治会(Student Union)の活動も盛んです。200以上のソサエティと、60を超えるスポーツクラブがあり、ソーシャルライフも充実しています。

ー お仕事の中で一番好きなところはどんなところですか。
たくさん旅ができることですね。世界が仕事場だと言っても良いくらい、出張が多いんです。旅は私の趣味でもありますから、本当にラッキーだと思います。しかし、どんなに旅が好きでも、緑の美しい丘が見えてくると、ウェールズに帰ってきたという喜びに満ち溢れるのです。

ー カーディフの最近のニュースや、楽しみかたを教えてください。
カーディフは近年、テレビと映画の分野で成長が目覚ましいので、ファンの方には非常に面白いと思います。BBCはカーディフ・ベイに大きなドラマ・スタジオを建てたばかりで、ここは『ドクター・フー』や『シャーロック』の制作で活躍しました。街なかのユニークな建築物は、こうしたドラマのロケ地としても知られています。

なお、カーディフ大学には人気のジャーナリズム学科がありますが、今年2月、そのキャンパスがBBCの隣のアーティスティックな新しい建物のなかに移設されることが発表されたばかりです。

さらに、スポーツ・ファンにとってもカーディフは魅力があります。特にラグビーはカーディフの活力源であり、ラグビーの試合で盛り上がる街の雰囲気や、7万3,000席もの規模のPrincipality Stadiumは、見逃せないでしょう。

ー カーディフ大学への留学を検討している人に、アドバイスをいただけますか。
留学先を選ぶのは、簡単なことではありませんよね。実際にキャンパスに来て、講師に会ったり、街を散策してみたりすることがベストですが、それも留学生にとっては難しいことが多いでしょう。

するとやはり、情報収集が肝心です。大学のウェブサイトやソーシャルメディアをチェックしましょう。講師にスカイプでの面談を依頼することもできます。

それから、カーディフ大学は卒業生の交流が盛んです。連絡をすれば、卒業生は喜んでアドバイスをしてくれるでしょう。日本の卒業生ネットワーク、Cardiff Uni Alumni Japan のFacebookページは、ぜひチェックしてください。

ー 日本の読者にメッセージをお願いします。
今回、初めて来日しましたが、伝統とテクノロジーが調和した、日本の2面性に感動しました。お会いした学生たちは親切で一生懸命で、日本に来て良かったと心から思いました。温かい歓迎をありがとうございました。

ありがたいことに、学生の皆さんとの友情が続くことがありますが、留学がその後の人生をどれほど大きく変えたのかを聞くたびに驚きます。そのことを思うと、到着したばかりの世界中の学生さんたちをキャンパスに案内するときは、私にとって最高の瞬間です。皆さんをカーディフで歓迎できる日を、心から楽しみにしています。

Cardiff University: https://www.cardiff.ac.uk/

編集後記

10年以上前のことですが、カーディフでの留学生活は、人生で最高の体験の一つでした。学業はもちろんのこと、放課後にStudent Unionで集まっておしゃべりをしたり、カーディフ城の芝生に寝そべったり。快適な学生生活を陰でサポートしてくれたウェールズの人たちに、改めて感謝!

次号は12月15日に発行予定です。お楽しみに!

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