NHK BSプレミアム「一本の道」でウェールズ北部特集が放映|Wales Now Vol.20

発行日:2017. 05. 30

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。

5月30日(火)、NHK BSプレミアム「一本の道」でウェールズ北部特集が放映

5月30日(火)22時~23時、NHK BSプレミアムにて、ウェールズ北部にのびるトレッキング道およそ60kmを歩く紀行番組が放映されます。

ウィリアム王子とキャサリン妃が新婚時代を過ごしたアイ(愛)ランド、アングルシー島から、不思議の国のアリスの故郷スランディデュノを見下ろす天空の丘グレートオームを辿る旅。旅先案内人は、北ウェールズの小さな村出身のウェールズ人女性です。

一本の道「“英国の中の異国”を歩く~イギリス・ウェールズ北部~」
公式サイト: http://www4.nhk.or.jp/ipponnomichi/

アストンマーティン、南ウェールズ新工場でプロジェクトの進捗を祝う式典を開催

2017年4月6日、南ウェールズのセント・アサンにて、高級英国スポーツカーブランドのアストンマーティン(Aston Martin)が改装を進める新工場の「第二段階」開始を祝う、特別な式典が開催されました。

アストンマーティンの新生産拠点として、世界20の候補地のなかから選ばれたセント・アサンは、航空機のメンテナンス・修理拠点として高度な生産技術が培われてきた地域。かつて軍事施設だったこの施設は、式典を通して国防省からアストンマーティンへと正式に引き渡されました。

ウェールズ政府のカーウィン・ジョーンズ首相は式典にて、「アストンマーティンは、ウェールズに大きな成功をもたらす存在であり、我々は今後さらに協力関係を強化して、ウェールズ経済への波及効果を最大化するとともに、これを機会に、ウェールズの名を世界に広めていきたいと思っています。」と祝賀のメッセージを送りました。

\話題のセント・アサン工場をショートムービーでチェック/


<ストーリー>

アストンマーティン社のレーシングドライバーとチーフエンジニア達が、同社CEOの目を盗み、セント・アサン工場で名車を走らせます。同工場で生産されるDBXや800馬力を誇る世界限定車のヴァルカンも登場。元英国空軍の飛行機格納庫であったセント・アサン工場内や滑走路でのドリフト走行は圧巻です。

ラグビーファンなら、警備員役の3名にも注目を。ウェールズナショナルチームのラグビー選手、ケン・オーウェンズ、スコット・ウィリアムズ、スコット・クイネルが特別出演しています。


カーディフの語学学校「ケルティック・イングリッシュ・アカデミー(Celtic English Academy)」CEOの祥子ドハティ(Shoko Doherty )さん


“カーディフが恋しくて、ロンドンでホームシックになってしまったんです"


日本とウェールズの架け橋となる人々をご紹介します。今回は、首都カーディフにある人気の語学学校「Celtic English Academy(ケルティック・イングリッシュ・アカデミー)」CEOの祥子ドハティ(Shoko Doherty)さんをお迎えします。ウェールズとの出会いのきっかけは、日本で手にした一つの楽器だったのだそうです。


ー ウェールズとの出会いについて教えてください。

生まれは福岡ですが、9歳のとき奈良へ引っ越しました。転校先の小学校のクラブ活動でユーフォニュームという楽器を始めて、高校ではソロコンテストで全国大会まで出場しました。

より本格的に学びたいと、高校3年生のときに、英国バーミンガム郊外のサマースクールに留学。ユーフォニュームで世界的に有名なデイヴィッド・チャイルズ先生と、その父親であるボブ・チャイルズ先生に師事するためでした。ウェールズ人のご家系です。

個人的に習えるか聞いてみたところ、「王立ウェールズ音楽演劇大学(Royal Welsh College of Music & Drama)へおいで」と言われました。こうして、ウェールズへの長期留学を決意することになりました。最初は英語の勉強をしなくてはと思い、カーディフの語学学校「Celtic School(現Celtic English Academy)」に半年ほど通学したのち、大学へ4年間通いました。

ー 音楽がきっかけだったのですね。
そうなのです。中学生のときにボブ・チャイルズ先生のCDを聞いたときから憧れていました。ボブ・チャイルズ先生が、ウェールズ現地のブラスバンドに入部する手配をしてくれたので、地元のメンバーのなかで生の英語を学ぶこともできました。

ボブ・チャイルズ先生とデイビッド・チャイルズ先生が率いる、名高い The Cory Band で一緒に演奏していた頃の思い出の一枚。中央右が祥子さん。

ウェールズは男声合唱団とブラスバンドが盛んで、それは炭鉱夫の文化から生まれたものなのだそうです。ウェールズに来てからは、ポートタルボットやスウォンジー周辺のロンダ(炭鉱)エリアに、週2回は通いました。

ー ウェールズの第一印象を覚えていらっしゃいますか。
ウェールズの人は、面倒見が良くて親切です。着いてすぐ、まだ英語がほとんど話せない頃、家の住所を忘れ、携帯もなくて困ってしまったことがありました。ブラスバンドの仲間が車でぐるぐるまわって一緒に探してくれたことは、今でも忘れられません。

ー 語学学校でのキャリアについて教えてください。
王立ウェールズ音楽演劇大学に通っているときに、語学学校のレセプションなどでアルバイトをしていました。大学3年生のときにはインターンシップで、ロンドンの会社に2カ月ほど勤務しました。卒業後はロンドンで働きたいと思っていたからです。

しかし、実はこの期間、カーディフが恋しくて、ホームシックになってしまったんです。日本に対しては、なったことがなかったのに(笑)。そこでカーディフに戻り、語学学校で勤務を始めました。

それから「Celtic School(現Celtic English Academy)」の学生サポートそしてマーケティング・マネージャーとして7年ほど勤務して、学校のパンフレットやウェブサイトの作成のプロジェクト・マネジメント、学生さんのリクルートおよび世界中の提携エージェントさんとの交渉や営業を主な業務として行ってきました。同校のオーナーであり夫のジェームズとは学生のときに出会い、2人の子どもにも恵まれました。

※後編では、祥子さんたちが経営するカーディフの語学学校「Celtic English Academy」の魅力と、ご家族とのウェールズでの暮らしについて、さらに教えていただきます。

Celtic English Academy: http://www.celticenglish.co.uk

写真提供: Celtic English Academy

あらゆる建物を発電所に!?
スウォンジー大学の革新的な技術


すべての建物が発電所になる? そんな時代がもうすぐやって来るかもしれません。今年3月、南ウェールズに位置するスウォンジー大学の研究機関「SPECIFIC Innovation and Knowledge Centre(以下、SPECIFIC)」のポール・ジョーンズ(Paul Jones)技術担当部門長が来日。今後の建物の在り方を変えるウェールズ発の新技術について紹介していただきました。


住宅、学校、オフィス…あらゆる建物を発電所に!?

 私の生まれはウェールズで、趣味はクラシックカーの修理とゴルフです。学生の頃はラグビーをしていました。物心ついた頃には、日本企業の工場が家の近くにありました。日本企業に囲まれて育ったので、日本を身近な存在に感じてきました。さらに前職の鉄鋼関連の仕事で、在ウェールズの日系企業向けに部材を納入していたので、日本との関係は数十年に渡りますね。

スウォンジー大学の研究所「SPECIFIC Innovation and Knowledge Centre」のポール・ジョーンズ(Paul Jones)技術担当部門長。

 「SPECIFIC」は英国国立の研究機関の一つで、1920年創立のスウォンジー大学内に研究所があります。「あらゆる建物を発電所に」というコンセプトのもと2011年に始動し、建物におけるエネルギーの高効率化に向けて10年計画で研究を重ねています。
 EU、英国のInnovate UK、EPSRC(英国工学・物理科学研究会議)、そして鉄鋼大手の企業スポンサーなどから補助金が拠出されています。もともとスウォンジー大学は工学系の研究で定評があり、特に資材への特殊コーティングや印刷技術を用いた太陽電池生産技術に関しての研究では、英国でトップクラスを誇ります。

企業や大学と連携した、市場に近い実証研究

 我々の実証モデルハウスでは、ガスの供給は一切ありません。屋根には、我々が開発した薄膜型の太陽電池を設置していますが、建物のファサードや屋根材に熱回収器を設置し、太陽熱の回収・貯蔵技術を開発しています。実証は、学校や工場でも行っています。太陽光発電システム、熱回収器、蓄熱器などのエネルギーデバイスを効率よく連携させ、エネルギーの高効率化に注力しています。

 我々の研究所はオックスフォード大学、インペリアルカレッジ、カーディフ大学との技術連携をしています。その他50社に上るハウスメーカー、建材メーカー、建設業者等のサプライチェーンとの連携も図り、技術の商業化に弾みをつけています。基礎研究からパイロットスケールでの関連部材の生産、そして実証まで対応が可能です。英国の研究機関でも、ここまで市場に近いところで活動しているところは、多くはないでしょうね。

オンリーワンの熱の回収・貯蔵技術を開発
 「SPECIFIC」は他にも、熱の回収・貯蔵技術でオンリーワンの技術を開発しています。これはタタスチール社との共同開発ですが、化学的な貯蔵方法で従来から悩まされていたヒートロスが無い、画期的な手法です。夏に貯めた太陽熱を冬場に使用でき、使用する化学品も危険なものではなく扱いが容易です。

 太陽熱だけではなく、工場の生産時に発生した排熱の回収・貯蔵する技術も確立しました。日本の夏場は暑いので、その熱を冬に持ち越せる素晴らしい技術でしょう。

日本の建材大量生産技術に注目中
 今回は、日本の建築においてどのような低炭素技術、エネルギーのマネージメントシステムが存在しているのかを学ぶべく来日しました。日本には多くのスマートタウン、エコタウンのプロジェクトがあると聞いているので、視察をするのが楽しみです。

 そしてもう一つの目的は、我々の技術と融合できる日本の技術を見つけ、ビジネスパートナーを発掘することです。例えば日本には住宅用建材の大量生産技術がありますが、英国にはこのような技術は存在していません。ぜひ日本の企業に我々とタグを組んでいただき、英国において日本発の建材大量生産技術を広め、「SPECIFIC」の技術を日本に広めて行けるような、良い相互関係を構築して行きたいですね。

SPECIFIC Innovation and Knowledge Centre: http://www.specific.eu.com/about(英語)


編集後記

テレビ番組がきっかけで、ウェールズを訪れてみたという方も多いようです。ふとしたきっかけで急に新しい未来が開けたりするので、人生の道は面白いですね。

次号は6月15日に発行予定です。お楽しみに!

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