不思議の国 ウェールズ屈指のリゾートタウン「スランディデュノ」へようこそ|Wales Now Vol.18

発行日:2017. 04. 28

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。


スランディデュノの小学校に通う、「ミス・アリス」(2016-2017)こと、ジェシカさん。

スランディデュノの小学校に通う、「ミス・アリス」(2016-2017)こと、ジェシカ(Jessica)さん。

「不思議の国のアリス」の舞台となった
ウェールズ屈指のリゾートタウン「スランディデュノ」


北ウェールズのスランディデュノ(Llandudno)は、ウェールズ屈指の美しいリゾートタウンです。「不思議の国のアリス」のモデルとなった少女がホリデーを過ごした土地でもあり、物語にまつわる舞台をめぐるアトラクションも充実。アリスやその仲間たちにも会えるかも…!?


"アリスのおうちがあったとこの近くには、ウサギ穴が本当にあるのよ"

私の名前はジェシカ(Jessica)です。10歳よ。スランディデュノの小学校に通っているの。私は「アリス」になって、いろんな人に会うのが好き。コンペティションで優勝したから、私が「アリス」になったの。そのために、お話を何度も読んだのよ。

エリザベス女王のお誕生日やお祭りの日にはお芝居をして、ティー・パーティーをするの。クリスマスにはプレゼントを配るの。

「アリス」は学校がお休みのとき、スランディデュノによく来ていたの。「アリス」のおうちがあったとこの近くには、ウサギ穴が本当にあるのよ。

<サイモンさんご登場>
さて、「ミス・アリス」のジェシカに代わりまして、ディレクターのサイモン・バローズ(Simon Burrows)です。「不思議の国のアリス」の舞台、スランディデュノについてご紹介しましょう!

"海岸沿いは美しいクラシック・ホテルと、日光浴をする人たちで賑わっています"
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北ウェールズのスランディデュノは、ウェールズ屈指のリゾートタウンです。「Queen of the Welsh Resorts(ウェールズのリゾート地の女王)」というニックネームの通り、海岸沿いは美しいクラシック・ホテルと、日光浴をする人たちで賑わっています。

この町の繁栄は、ヴィクトリア時代にさかのぼります。名作「不思議の国のアリス」のモデルとなった少女アリス・リデルも、ここでよくホリデーを過ごした一人です。作者のルイス・キャロルは、オックスフォード大学で教鞭をとっていました。アリス・リデルは、キャロルがお世話になった学寮長の娘さんです。

リデル家の別荘(当時の記録写真)

リデル家の別荘(当時の記録写真)

"スランディデュノは、アリスの物語が生まれた町なんです"

そのリデル家の別荘は、スランディデュノ西部の海岸沿いにありました。キャロルは一家との親交を深め、スランディデュノにも招かれました。別荘跡地のすぐ目の前には、今も海岸沿いの風景や、小高い丘にぽっかりと空いている穴……そう、お話の入り口となる「ウサギ穴(Rabbit Hall)」が残っています。

こうした北ウェールズの自然に、キャロルは想像を掻き立てられました。スランディデュノは、アリスの物語が生まれた町なんです。

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スランディデュノと「不思議の国のアリス」とのつながりを、もっと多くの人に楽しんでもらうために、私たちはさまざまな「仕掛け」をしました。その一つが、こちらの「ミス・アリス」とその仲間たち。毎年6月にコンペティション(大会)を開催して、スランディデュノの地元の少女を「ミス・アリス」に任命し、1年間かけて観光客の皆さんをおもてなししています。※学業優先のため活動は不定期、代役の場合がございます。

海岸沿いにある、英国で最も長い桟橋も見どころ

「英国で最も長い桟橋」も見どころ

そして、町を歩けばすぐにお気付きになると思いますが、あちこちにアリスに登場するキャラクターたちの彫刻を置いています。これらは、アリスゆかりのスポットを巡って、スランディデュノを探検するアトラクション「Alice in Wonderland Town Trails(アリス・イン・ワンダーランド・タウン・トレイルズ)」の一部なんです。

紙の地図もご用意していますが、スマートフォンやタブレットをお持ちの方は、ぜひご準備ください!

※後編では、アプリを使ってスランディデュノをさらに楽しむ方法をご紹介します。

Alice in Wonderland Town Trails: http://www.alicetowntrail.co.uk(英語)


“ウェールズ国立美術館は、ウェールズを知るのにもってこいの場所です"

ウェールズ国立美術館学芸員 アンドリュー・レントン(Andrew Renton) さん

ウェールズ国立美術館学芸員
アンドリュー・レントン(Andrew Renton)さん


日本とウェールズの架け橋となる人々をご紹介します。今回は、日本で好評開催中の特別展「英国 ウェールズ国立美術館所蔵 ターナーからモネへ」で注目されているウェールズ国立美術館の学芸員である、アンドリュー・レントンさんにお話を伺いました。アンドリューさんは日本語も堪能です。


ー 自己紹介をお願いします。
私はウェールズの首都カーディフに住んでいて、ウェールズ国立美術館に勤めています。イングランド北部のヨークシャー出身ですが、カーディフにおよそ18年住んでいるので、今はウェールズが「ホーム」ですね。

ー お住まいの南ウェールズはどんなところですか。
南ウェールズは山も海岸も近く風光明媚で、住むにも観光の行き先としてもぴったりです。さらに、カーディフは首都ですから、文化的なアクティビティにあふれています。そのなかでも特におすすめなのが、私たちのウェールズ国立美術館というわけです!

ー ウェールズ国立美術館について教えてください。

(c)National Museum of Wales

(c)National Museum of Wales

カーディフ中心部に位置する国立美術館(National Museum Cardiff)では、重要なアートコレクションや、自然科学のコレクションをお楽しみいただけます。また、カーディフ郊外にあるセント・ファガンズ国立歴史博物館(St Fagans National Museum of History)では、ウェールズの歴史と民族の生活を肌で感じられる、野外展示をご覧になれます。

ウェールズの特徴とその歴史を、存分に学んでください。見学しているうちに、英国の一部でありながらも、イングランドとはかなり異なることにお気付きになるでしょう。ウェールズは独自の歴史と文化を持っているのですから。

ー アートコレクションには、どんなものがあるのですか。
ウェールズ人作家による作品はもちろんですが、インターナショナル・コレクションも充実しています。特に、印象派画家のコレクションは欧州トップレベルで、来場者に大変人気があります。

(c)National Museum of Wales

(c)National Museum of Wales

ー 自然科学のコレクションとは?
ウェールズの地形や生態系についての展示です。実はウェールズは、自然科学の研究で世界的に有名なのです。例えば、地質時代の区分名のひとつ、「カンブリア紀(Cambrian period)」という言葉を聞いたことがありますか? ウェールズの国のことをウェールズ語では「カムリ(Cymru)」と言いますが、「カンブリア」とはウェールズのこと(古称)です。この時代の岩石が世界で初めて出土したのが、ウェールズだったことに由来しているんです。

ー 日本の読者に特にお勧めの見どころは?
実はこの美術館そのものが、日本とウェールズの友好関係の象徴なのです。なぜなら、この美術館の最初のディレクターであるホイル博士(William Evans Hoyle)には、バーナード・リーチ(Bernard Howell Leach)という、陶芸家の甥がいました。若い頃に日本で陶芸を学び、20世紀の世界に大きな影響を与えた人物ですね。

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ウェールズ国立美術館は、そのバーナード・リーチが購入した、日本の茶道文化に関するコレクションを所蔵しているのです。ですので、日本とウェールズにまつわる企画展も、見逃さないでいただきたいですね。これまで、日本の陶磁器やデザインをテーマにした企画展を開催しました。

ー アンドリューさんは日本語もお上手ですね。読者にメッセージをお願いします。
いいえ、まだまだです(笑)。日本の皆さんにお伝えしたいのは、ウェールズには大変興味深い、独自の歴史があるということです。ウェールズの外ではあまり知られていないのは、もったいないですね。ウェールズ国立美術館は、ウェールズを知るのにもってこいの場所です。ぜひ遊びにいらしてください。

ウェールズ国立美術館(National Museum Wales):  https://museum.wales/(英語)


特別展「英国 ウェールズ国立美術館所蔵 ターナーからモネへ」が好評開催中

英国_ウェールズ国立美術館所蔵_ターナーからモネへ_4001907年に設立された歴史ある英国ウェールズ国立美術館。同館のコレクションより、19世紀から20世紀初頭にかけて英仏で活躍した画家たちによる70点余りの珠玉の作品が来日する特別展が、広島県立美術館にて好評開催中です。

<開催情報>
日時: 2017年4月1日(土) ~2017年5月28日(日) 
場所: 広島県立美術館(広島市中区上幟町2-22)
公式ホームページ:  http://www.hpam.jp/special/

モネは印象派としての作風を確立する数年前、イギリスを代表する画家ターナーの作品に接し、その風景表現に感嘆したといわれます。本展ではターナーをはじめ、ミレーやクールベなど写実主義の画家、モネや印象派の巨匠、印象派以後の画家の作品等を一堂にご紹介します。時代を映し出し、綿々と続いていく絵画史の流れを辿っていただける貴重な機会です。ぜひご覧ください。

ウェールズ国立博物館

※本特別展は今後、愛媛県美術館、熊本県立美術館、岡崎市美術博物館、静岡市美術館、福井県立美術館を巡回予定です。

「ウェルシュ・レアビットの日」とは!?

ウェールズのチーズとビールを使った、国民的料理「ウェルシュ・レアビット」。毎年9月3日は「ナショナル・ウェルシュレアビット・デー(ウェルシュ・レアビットの日)」とされていて、このおいしい料理をお祝いする日です。

昨年は、ニューヨークの人気レストランで「ウェルシュ・レアビット・バーガー」という特別なチーズバーガーが登場するなど、今や世界に広がっています。

今年は、日本で一緒にお祝いしてみませんか?

編集後記

「ミス・アリス」やその仲間たちの役を担うのは、スランディデュノの等身大の子どもたち。そこには、「観光振興だけでなく、ウェールズの子どもたちに活躍の場を与えたい」という、大人たちの願いが込められているのだそうです。希望にあふれる笑顔が印象的でした。

次号は5月15日に発行予定です。お楽しみに!

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