ウェールズの伝統菓子「バラ・ブリス」の世界大会が初開催|Wales Now Vol.10

発行日:2016. 12. 19

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。

NHK総合「ガッテン!」でウェルシュ・リークの魅力が紹介

Welsh_leek_gatten

12月14日(水)、NHK総合の人気番組「ガッテン!(旧:ためしてガッテン)」の特集「インフル・肺炎・がんに効く 世界で発見!驚異のネギパワーSP」にて、ウェールズのシンボルである「ウェルシュ・リーク」の魅力が紹介されました。

ビールとチーズを合わせたウェールズの伝統料理「ウェルシュ・レアビット(ネギ入り)」や首都カーディフのセントラル・マーケット、さらには「不思議の国ウェールズ」として「ヨーロッパの美しい村30選」に選ばれたコンウィ城や、「不思議の国のアリス」ゆかりの地スランディデュノなど北ウェールズの観光名所も紹介されました。

今年9月23日〜25日に東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2016」で開催したウェールズ・セミナーを、NHKの番組企画の方も聴講され、北ウェールズ観光協会会長ジム・ジョーンズ氏と出会いました。

ジョーンズ氏のウェールズ現地での支援のもと、北ウェールズの観光スポットも紹介しながら、ウェールズの魅力が詰まった同「ネギパワー企画」の撮影ツアーが実現しました。

同番組は、12月20日(火)午前0時10分より、再放送が予定されています。

番組ホームページ:http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20161214/

史上初、ウェールズの伝統菓子バラ・ブリスの世界大会が開催

11月18日(金)、北ウェールズのスランディデュノにて、ウェールズの伝統菓子「バラ・ブリス(Bara Brith)」の味を競う、初めての世界大会(Jones Crisps World Bara Brith Championship)が開催されました。

70以上のエントリーの中から優勝したのは、ウェールズ出身のデリス・ジェンキンス(Delyth Jenkins)夫人。実は、デリス夫人の同大会への応募は、コンウィ郵便局の配達遅延により、もう少しで締切に間に合わなくなるところだったという経緯がありました。受付終了のほんの数分前に、滑り込みでエントリーされて審査テーブルにのせられたバラ・ブリスが、運命の勝利を勝ちとったのです。

デリス夫人とご主人は、贈呈されたブロンズのドラゴンのトロフィーに大喜び。デリス夫人はベーカリーのビジネスの立ち上げを真剣に考えているので、同大会に協賛したボドナント・ウェルシュフード・センターのシェフ、サイモン・バロウ氏と一緒に料理ができる機会を、特別な思いで心待ちにしているようです。

北ウェールズ観光協会会長ジム・ジョーンズ氏は、大会の表彰に際し、栄えある勝利を勝ち得たデリス夫人の栄誉に祝辞を述べ、また次のように締めくくりました。
「ウェールズで何世代もの家族の間で育まれてきた伝統的なレシピが、素晴らしい形で世界に紹介される機会になりました。北ウェールズのジョーンズ・クリスプス社と、ボドナント・ウェルシュフード・センターによる、このイベントへの支援にも心から感謝します」

Bara_brith_competitions_s

\ご自宅で「バラ・ブリス」を作ってみませんか?/

bara_brith_sako
ローフ型に焼くフルーツケーキタイプのバラ・ブリスのレシピをご紹介します。

ウェールズで聞いた「おいしく焼き上げる秘訣は、ブラックトリークルを入れること!」を守った配合です。

18㎝パウンド型 1台分

<材料>
A
薄力粉 245g
黒糖 40g
ミックススパイス 小さじ1

バター 90g
牛乳(人肌程度に温める)50㎖
ドライイースト 小さじ2
レーズン 60g
カランツ 40g
ブラックトリークル 大さじ2~3
湯(人肌程度に温める)40㎖
卵 1コ

<手順>
1)温めた牛乳にドライイーストを加えふやかす。
2)トリークルに湯を加え混ぜて溶く。それをレーズンとカランツに加えておく。
3)Aにバターを加えカードでそぼろにする。
4)3のボウルに2を加え、さらに1と溶いた卵も加え混ぜる。
5)ボウルに入れてラップし、35℃の所に1時間おく。
6)型にワックスペーパーをしいて、5を軽く練ってから入れ、180℃で15~20分、170℃で15~20分焼く。

レシピ・写真提供:英国料理研究家 砂古玉緒先生


“ウェールズは、知れば知るほど味わい深い国です”

カーディフ在住通訳者 小野田薫(Kaori Onoda)さん。ご自宅の「ご自慢の壁紙」の前で撮影。

カーディフ在住通訳者 小野田薫(Kaori Onoda)さん。
ご自宅の"ご自慢の壁"前で撮影。


日本とウェールズの架け橋となる人々をご紹介します。前回に続き、カーディフ在住歴20年の通訳者、小野田薫さんにお話を伺います。長年ウェールズにお住まいの小野田さんに、ウェールズでの暮らしや、カーディフ近郊のおすすめスポットを伺いました。


ー ウェールズは住みやすいですか。
ウェールズは「スモール・イズ・ビューティフル」。もちろん理想郷というわけではありませんが、小さな国ならではの良さがたくさんあって、住みやすいですね。海があり山があり、自然が身近にあって、人は温かくて寛容です。皆さん、懐が深いですね。

ー ウェールズ語がお好きだそうですね。
はい。ウェールズ語の男性合唱などは、息を呑むような美しさです。ずいぶん前ですが、私もウェールズ語を習いました。最初は全然わからなくて泣きそうでしたが、検定試験にも受かったんですよ。最近、カーディフでもウェールズ語を耳にするようになってきたので嬉しいです。

ー カーディフのおすすめスポットを教えてください。
私は英国ドラマが大好きなのですが、「SHERLOCK/シャーロック」や「ドクター・フー」は、たくさんのシーンがカーディフで撮影されたんですよ。お好きな方は、ロケ地を訪れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、私の自宅のこの壁(写真上)……「SHERLOCK/シャーロック」のファンの方なら、おわかりですか? シーズン3第2話 「三の兆候」でジョンとメアリーの結婚式のシーンに出てくる部屋の内装を手掛けたデザイナーさんに依頼して、同じデザインにしていただいたのです!

ー カーディフ近郊のおすすめスポットは?

©VisitBritain/ Stephen Spraggon

ブレコン・ビーコンズ国立公園 ©VisitBritain / Stephen Spraggon

やっぱり、ブレコン・ビーコンズ国立公園(The Brecon Beacons National Park)ですね。カーディフから車で30分飛ばせば、もう大自然があるんです。

それから、ブレコン・カナル(Brecon Canal)は隠れた名スポットだと思います。家族と一緒にナローボートを一週間レンタルして、カントリーサイドの山あいを縫うように川下りをしたことがあります。ボートで過ごす夜は、あたりが静かで真っ暗で、外にはキツネの目が光っていて、フクロウがホーホーと鳴く声がして……特別な体験でした。おすすめです。

ウェールズは地方色豊かなところなので、伝説も神話も込み入った歴史も、掘り下げてみると面白いですよ。小さいけれども、知れば知るほど味わい深いので、「スルメ」みたいな国ってところでしょうか(笑)。私はかじってかじって、20年近く経ちました。早いものですね!


「メリン・トレグウィント(Melin Tregwynt )」社オーナーのエイフィオン・グリフィス(Eifion Griffiths)さんと、その奥様のアマンダ・グリフィス(Amanda Griffiths)さん

「メリン・トレグウィント(Melin Tregwynt )」社オーナーのエイフィオン・グリフィス(Eifion Griffiths)さんと、その奥様のアマンダ・グリフィス(Amanda Griffiths)さん

100年以上受け継がれる
西ウェールズ生まれのラムズウール


今年10月に来日したウェールズのメーカーの商品を、シリーズでご紹介します。今回は、100年以上の歴史を持つ西ウェールズのラムズウールミル「メリン・トレグウィント(Melin Tregwynt)社」オーナーのエイフィオンさんと、奥様のアマンダさんにお話を伺いました。


良質のラムズウールの故郷、西ウェールズの「風の家」
 1912年、私の祖父が地元で開かれたオークションでミル(水車小屋)を760ポンドで落札して、祖母と一緒にここ(西ウェールズの海岸沿い)に移住したことがきっかけで事業がスタートしました。このミルは「ダファリン・ミル(ウェールズ語で「谷の水車小屋」)」と呼ばれていましたが、ありふれた名前だったので、祖父がウェールズ語でミルを意味する「メリン」 と、「風の家」を意味する「トレグウィント(トレは場所、グウィントは風)」 を合わせて、「メリン・トレグウィント」と名付けました。

Melin Tregwynt Mill Old time_s 地産のラムズウールを使い、地元の市場で製品を販売していましたが、商才に長けていたのでしょうか。1940年代には、早くもメールオーダー・サービスを始めて、遠方のお客様にも商品を届けていたと聞いています。今で言う、通信販売でしょうか(笑)。当時は物流も今のように発達していなかったので、汽車に乗せて駅まで運び、お客様が取りに来るというシステムでした。1950年後半にはミルの横に売店を設置し、観光客が足を運ぶ観光スポットとなっていたようです。

100年以上受け継がれる「ダブル・クロス製法」
Melin Tregwynt Cushions_s
 100年以上受け継がれてきた伝統的な手法である「ダブル・クロス(Double Cloth)製法」を、今も用いています。生地の表と裏を異なったパターンで編み込むことによって生地を強くし、そして意匠性の高いリバーシブルにすることができます。

 過去のデザインや模様はアーカイブされていて、これは我々にとっての財産です。私たちは今、過去のクラシックデザインと現代のモダンデザインを融合して、全く新しいデザインを生み出す事に力を入れています。例えば最近では、ロンドンのテート・ギャラリー主催の、アーティストと協力して新しい製品デザインを創作する共同プロジェクトに参画しました。昨年は、1840年代にウェールズの文化・言語を海外へ広めるために、ウェールズ人による南米パタゴニアへの入植を推進したウェールズ大臣 Michael D. Jones が身に着けていたポンチョのデザインを現代に蘇らせるべく、同じデザインのブランケットを製作しました。

日本は「伝統の裏にあるストーリー」を理解してくれる国

Melin Tregwynt Cabin Attendant_s

 実は、私たちは日本とは10年以上の交流があります。最初は、Homestead社の入江社長が声を掛けてくれたのがきっかけでした。日本人は伝統を重んじ、そしてその伝統の裏にあるストーリーに対して敬意を表する、素晴らしい人たちだと思います。こうした伝統・ストーリーを評価してくれる日本だからこそ、我々の製品・コンセプトそして歴史を理解してくださるので、商品を購入をしていただけるとても重要なマーケットと捉えています。

 これまでマーガレット・ハウエルや伊勢丹、MUJIなどのビックネームとのコラボレーションも数多く手掛けました。今後はネット販売サイトを通じ、日本での販売を広げて行きたいと考えております。2012年のロンドンオリンピックの際、ロンドンのホテル向けに客室用のクッションなどを供給しました。この経験を活かし、2020年の東京オリンピックに向けて、東京のホテルと共同で内装のプロジェクトにも参加してみたいと思います。

メリン・トレグウィント(日本語HP): http://melintregwynt.jp/

※次回は、メリン・トレグウィント社の日本代理店の方々に製品の魅力についてお話を伺います。

編集後記

2016年は、日本とウェールズ両国の関係の発展を、肌で感じられる年でしたね。来年、ウェールズでは「Year of legends(伝説の年)」という観光キャンペーンが始まります。さあ、どんな"伝説的"な年になるのでしょうか!?

次号は1月10日に発行予定です。お楽しみに!

バックナンバー一覧

ページ上部へ戻る