独自の発想や蓄積された知見・技術で高い評価|
Wales Now Vol.73

発行日:2020. 01. 06

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。

~ウェールズ貿易使節団・連続インタビュー~


“日本でのブランドイメージを構築し販路拡大へ”


子どもの視点に立って、軽量で高品質ながら価格的には手ごろな子ども用自転車を製造してきているフロッグ・バイクス。そのユニークな発想と独自の研究開発を通じた自転車づくりが国際的にも注目を集めている同社のジム・ホワイトヘッドさんに、フロッグ・バイクス製品の特長や日本市場での展開などについて語っていただきました。

ー フロッグ・バイクスについて、ご説明いただけますか。
子どものために思うような自転車を見つけることが出来なかった経験から、2013年にジェリー&シェリー・ローソン夫妻によって設立されたのがフロッグ・バイクスです。会社の設立から5年ほどしか経っていませんけれども、実際に自転車に乗る子どもの立場を大切にして、子どもの視線から高品質で軽量かつ手ごろな価格帯の子ども用自転車の製造・販売を行ってきており、短い間に世界的にも高い評価をいただいてきています。

ー 既に、ウェールズや英国内だけでなく、他の国や地域でも製品を販売されているのでしょうか。
そうです。現在までに、日本も含めて世界各国に約1800の販売店を含むパートナーネットワークを構築してきています。様々な産業イノベーション・デザイン賞や優秀工場賞なども受賞してきており、2019年には、英国女王エンタープライズ賞の国際貿易部門でも賞をいただきました。

ー フロッグ・バイクスの製品は、どのように開発されてきたのでしょうか。
ロンドンのブルネル大学やオリンピックの英国代表チームでも自転車エンジニアと務めていることなどでも知られる技術者などと協力して、子ども用自転車の設計思想に革命をもたらしてきました。子ども達が快適で楽しいサイクリングを楽しめるように、自転車の形状から構成部品の品質にいたるまで、自転車を構成している全ての要素について緻密な設計や慎重な選定が行われています。

ー 具体的には、どのような設計が特長的と言えるのでしょうか。
例えば、調整可能なブレーキやハンドルバーステムのアドオンなどにより身長の伸びに対応できるほか、短めのクランクや小型のハンドルバー、届きやすいブレーキレバーなどによって、より長い距離をより速いスピードでサイクリングできるようになっています。

ー 一人一人の子どもに合った自転車を選ぶには、どうしたら良いのでしょうか。
小さな子ども達は、年齢が同じでも大きく体格が異なることも珍しくありません。他の子ども用自転車のように、年齢だけを基準にしてしまうと、身体に合っていない自転車に無理して乗ることになってしまいますから、上達が遅れてしまうばかりか、自転車を嫌いになってしまう恐れもあり、サイクリングの楽しさを体験していただくことが出来なくなってしまいます。ですから、年齢だけでなく、特に、子どもの足の長さを基準にして自転車を選んでいただくことが大切です。子どもの股下寸法を目安にして、最も適したサイズの自転車を選んでいただくには、サドルを最も下げた状態で子どもの両足がしっかりと地面に届くサイズが最適ということになります。フロッグ・バイクスのシートポストは長めに作られていて、10センチ前後の調整幅がありますから、子どもの成長に合わせてサドルの高さを変更することも可能です。

ー 子ども用の自転車にも、色々な種類の製品があるのでしょうか。
自転車トレーニング用に最適なペダルの付いていないバランスバイクから、初めてのペダル付き自転車として乗れるファーストペダルバイク、変速機能付きのジュニア自転車であるハイブリッドバイク、高度な技術を身に付けられるジュニア専用設計ロードバイクなど、レベルに応じた様々な製品を用意しています。

ー 日本市場での展開や可能性については、どのように考えていらっしゃいますか。
日本の自転車販売店向けに幅広く自転車を紹介して販売代理店契約の拡充を図りながら、自転車関連メディアなどで注目を集められるような情報発信を続け、日本市場でのフロッグ・バイクスのブランドイメージを構築していくことで、製品に対する理解を深めていって、販売の拡大につなげていければと考えています。

ー ありがとうございました。


“半世紀に及ぶ知見と技術で日本市場へ参入”


ホエイプロテインやラクトース製品のヨーロッパ最大手メーカーであるヴォラック・インターナショナル。乳製品由来の栄養豊富な原料を世界各国の大手食品メーカーに卸している同社で、セールス&マーケティングを担当しているナディア・エル-ザンファリーさんに、事業の概要や日本市場の展望などについてお聞かせいただきました。

ー ヴォラック・インターナショナルの創業は、いつだったのでしょうか。
酪農業界の起業家と獣医学生の協力によってヴォラック・インターナショナルが設立されたのは、1970年のことでした。起業家の方は、第2次世界大戦後に乳製品を求めていた英国の消費者のニーズを満たすための商品だったスキムミルクの開発・製造のエキスパートで、酪農業界では名前の知られた人物でした。また、1970年代は、家畜の飼料添加物が進化した時期で、獣医学生の専門知識を活用してスキムミルクを配合した飼料添加物は、ヴォラック・インターナショナルの主力商品となりました。
ー 現在は、どのような製品をラインアップされているのでしょうか。
乳製品由来の栄養豊富な原料を世界各国の大手食品メーカーに卸販売していますが、ヴォラックの製品としては、ライフスタイル&スポーツ栄養市場向けのハイパフォーマンス・ホエイプロテイン“Volactive UltraWhey”シリーズや、食品・飲料メーカー向けのラクトース豊富な乳製品原料“Volactose”シリーズなどがあります。半世紀近くにわたって蓄積されてきた化学的知見と優れたホエイ加工技術により、食品・飲料分野で突出した品質、栄養価、パフォーマンス実績を積み重ねてきており、そのことが国際的な評価につながっていると自負しています。

ー ヴォラック・インターナショナルの事業にとって、中核的な存在となっているホエイプロテインとは、どのようなものなのでしょうか。
ホエイプロテインというのは、牛乳に含まれるタンパク質の一種ですけれども、ヨーグルトの上澄みとして出て来る透明の液体がホエイ(乳清)と呼ばれることはご存知かと思いますが、このホエイに含まれるタンパク質がホエイプロテインです。ホエイには、ミネラルや水溶性ビタミンなども含まれているほか、筋肉成分の多くを占めるアミノ酸も含まれていて、筋肉修復効果も指摘されてきています。味は淡泊で飲みやすいのに加えて、体内に吸収されるスピードも速いため、胃腸にもたれにくいという点もメリットです。

ー どういう利用のされ方、あるいは、摂取のされ方をしているのでしょうか。
やはり、トレーニングで強い肉体を手に入れたいというアスリートの皆さんにお勧めしたいのが、ホエイプロテインということになるかと思います。トレーニングの後に、筋肉の回復を効率的に促すためには、タンパク質をできるだけ素早く補給することが必要と言われており、ホエイプロテインは吸収のスピードが速いので、トレーニング直後の補給には最適ということになるわけです。筋肉トレーニングだけにとどまらず、持久系スポーツの代表競技であるマラソンや、格闘技をはじめ、日本で開催されたワールドカップで大きな注目を集めているラグビー等のコンタクトスポーツなど、幅広いスポーツ分野で強靭な肉体をつくるトレーニングをサポートするベストパートナーと言えるのがホエイプロテインです。

ー 日本市場での可能性については、どのように展望されていますか。
日本では、国内でも大いに盛り上がったラグビーワールドカップに続いて、2020年には東京オリンピック・パラリンピックも開催される予定で、これまで以上にスポーツ対する関心が高まり、自らもスポーツ競技に参加しようと考える市民の皆さんも増えるだろうと見られています。もちろん、オリンピアンやパラリンピアンをはじめ、様々な競技スポーツで国際的に活躍しているアスリートも沢山いるでしょうし、学校や職場などでも多くの皆さんがスポーツを楽しんでいるだけでなく、本格的な高齢化社会を迎えている日本では、健康に対する関心もこれまで以上に高まっています。ヴォラック・インターナショナルの代表的な製品であるライフスタイル&スポーツ栄養市場向けのハイパフォーマンス・ホエイプロテイン“Volactive UltraWhey”シリーズへの潜在需要も極めて大きいものと思われます。日本企業だけでなく、外国企業とも厳しい競争が予想されますけれども、独自の市場開発や需要開拓に取り組むことで、日本市場での可能性も広がっていくと考えています。

ー ありがとうございました。

|NEWS|
「お城EXPO」でコンウィ城をアピール
姉妹城提携の姫路城とともに存在感示す

ウェールズ政府は12月21日と22日の両日、横浜・みなとみらいで開催された「お城EXPO 2019」に出展しました。昨年に続き、2回目の出展となった「お城EXPO 2019」には、北ウェールズ観光局のジム・ジョーンズ局長も来日し、今年10月にコンウィ城と姉妹城提携で正式調印したばかりの姫路城と隣り合ったコンウィ城ブースで同城の魅力をアピールしています。
ジョーンズ局長は、2015年に「ツーリズムEXPOジャパン」でプレゼンテーションを行うために初来日した後、日本への訪問を繰り返してウェールズへの理解を深めるための活動を積み重ねてきており、日本の海外旅行市場でのデスティネーションとしてのウェールズのプレゼンスを高めてきました。
ウェールズ政府が出展したコンウィ城ブースは、海外のお城としては唯一の存在で、特に、コンウィ城と姫路城による世界文化遺産に登録されたお城同士の姉妹城提携が正式調印された直後だったこともあり、昨年に続いて大きな注目を集めています。
コンウィ城は13世紀にイングランド国王のエドワード1世によって築城が始まり、外壁より内壁が高い構造で防衛のための建造物としては完璧な城と言われており、8つの大円塔とともに独特の景観を持つ城です。
「お城EXPO 2019」では、「不思議の国 ウェールズ コンウィ城と古城街道」と題するセミナーが21日と22日にそれぞれ2回ずつ開催され、何れも満員となり、コンウィ城とウェールズへの関心の高さが示される結果となりました。2015年に日本旅行業協会(JATA)による「ヨーロッパの美しい村30選」でコンウィが英国から唯一名前を連ねたのに続き、2017年のJATAによる「ヨーロッパの美しい街道20選」でも「不思議の国ウェールズ 古城街道」(北ウェールズ)と「イングランド田園街道」(イングランドとウェールズ)が選定されており、「ラグビーワールドカップ(RWC)2019 日本大会」でのウェールズ代表チームの活躍とも相俟って、日本におけるウェールズへの存在感が一気に高まってきているようです。
「お城EXPO」は、近年、“城めぐり”や“城郭めぐり”が大きなブームとなりつつある中で、お城にまつわる貴重な展示やスペシャリストによる講演会など、お城の知識を深めることのできるプログラムも実施。2016年の第1回から数えて4回目となったイベントには、過去最大の99団体が出展、2日間の来場者数は約1万8000人に達し、1日当たりの来場者数も過去最高を記録しています。

|NEWS|

ウェールズ代表チームのジョーンズ主将に栄冠
BBCウェールズ「スポーツ・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー2019」

※BBC Walesホームページから

「シックスネーションズ2019」で優勝したのに続き、「ラグビーワールドカップ(RWC)2019 日本大会」でもベスト4に進出したウェールズ代表チームの主将を務めたアラン・ウィン・ジョーンズ選手が、BBCウェールズの「スポーツ・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー2019」に輝きました。
2006年から10年以上にわたってウェールズ代表としてプレーし、先発出場した試合はウェールズ最多の100以上を数え、ウェールズ代表キャップ数も130を超えて最多記録を更新したジョーンズ選手は、ロックとしても世界最多キャップホルダーとなりましたが、34歳という年齢ながら「RWC2019 日本大会」でもトップタックラーとして高いパフォーマンスを示し、ウェールズ代表における歴代最高のロックであることを自ら証明してみせたのは記憶に新しいところです。

※BBC Walesホームページから

「シックスネーションズ」でもウェールズ代表として3回のグランドスラムを果たしたジョーンズ選手は、世界のベストロックとして高く評価されていますが、プロラグビー選手として活躍しながらスウォンジー大学の定時制で法律を学んだインテリでもあり、南ウェールズの小さなまちで医師の奥さんと二人の娘さんと静かに暮らしています。
BBCの「スポーツ・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー2019」は、「2019 クリケット・ワールド・カップ」でイングランドを優勝に導いたベン・ストークス選手に贈られましたが、同賞のファイナリストに残ったジョーンズ選手は、「RWC2019 日本大会」で試合が終わるたびに長身を折りたたんで深々とお辞儀を繰り返した真摯さとともに、日本のラグビーファンの記憶から決して消えることはないでしょう。

編集後記

子どものために思うような自転車を見つけられなかった経験から、自分たちで自転車づくりを始め、僅か5年で国際的な評価を確立したフロッグ・バイクスと、1970年代の設立当初に主力製品だった飼料添加物を製造するための知見・技術をベースにホエイプロテインやラクトース製品のヨーロッパ最大手メーカーとなったヴォラック・インターナショナル。日本市場への新規参入を目指す両社は、ウェールズにおける産業のイノベーション力と多様性を象徴する存在と言えそうです。

次号は2020年01月15日に発行予定です。お楽しみに!

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