RWCを通じて一気に高まったウェールズの存在感|
Wales Now Vol.71

発行日:2019. 11.12

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。


“独自技術で日本での市場開発や需要創造へ”


英国映画テレビ芸術アカデミーを受賞した実績も持つクリエイティブエージェンシーのアティカス・デジタル。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、360度映像、3Dアニメーションといった技術のエキスパート集団である同社のマーティン・マカビー社長に、事業概要や日本でのビジネス展開などについてお話をお聞かせいただきました。

ー アティカス・デジタルの事業概要をご説明いただけますか。
1998年の創業以来、アディダスやブリティッシュペトロリアム(BP)、BBC、CNN、IBM、シェルなどの世界的にビジネスを展開している企業をはじめ、ウェールズ政府観光局やVisit Walesなどとも連携して、マーケティングやトレーニングの合理化といった分野で20年以上にわたり質の高いクリエイティブ・コンテンツを制作してきています。

ー 今回の来日目的を教えてください。
ウェールズからの大規模な貿易使節団の一員として来日しましたが、アティカス・デジタルの事業ドメインでもあるマーケティングやトレーニングなどの分野における仮想現実や拡張現実の技術提供というビジネス展開に向けて、日本市場での将来のビジネスパートナーや潜在顧客の獲得を目指しています。

ー 仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった技術について、分かりやすくご説明いただけますか。
VRはVirtual Realityという言葉の通り、コンピューターによって創り出される世界や空間を人間の五感が認識することで、仮想現実を体感できるようにする技術と言えます。ヘッドセットやVRゴーグルなどのデバイスを装着して、バーチャルな空間に入り込んでいるような体験を提供するもので、ご存知のようにゲームやエンターテインメントなどの仕組みとして一般には普及してきましたが、現在は、そのシミュレーション機能としての側面を活かして、教育や訓練などで大きな効果を発揮するようになってきています。

VRー では、拡張現実(AR)とは、どういった技術なのでしょうか。
ARはAugumented Realityという言葉の頭文字をとったものですが、実際に見えたり聞こえたりしている現実の情報にデジタルの情報を重ね合わせることで、現実を拡張した視覚的な世界を表現するようにできる技術です。画像や周辺の空間を認識して、現実の映像とデジタル情報を合成した拡張映像をディスプレイ上などにリアルタイムで表現できますから、当初は広告やプロモーションで利用されるケースが多かったのですが、現在は、ビジネス分野での利用も広がってきています。
AR
ー 具体的には、どのような使われ方をするのですか。
例えば、販売促進のプロモーションなどでは、商品のパッケージ画像を認識して、プロモーション動画や3DによるCGコンテンツを表示したり、大型の機材や高額な商品など現実的に事前の確認が難しい場合には、ARの技術を活用すれば、容易に現実のシミュレーションを行うこともできます。

ー 日本市場でのビジネス展開については、どのように見通されていますか。
既に、アジアでは、シンガポールやマレーシアなどでビジネスを行っていますけれども、日本市場では、その特性を理解したうえで、将来のビジネスパートナーとの関係づくりを進めて、新たな市場の開発や需要の創造につながるような潜在顧客を獲得していきたいと考えています。アティカス・デジタルでは、商標登録も行っている“Making Complex Simple”(複雑なことをシンプルに)という「複雑な物事を分かりやすくする」先駆的な活動を進取の精神に富むアプローチにより、世界で活躍する多くの顧客向けにクリエィティブコンテンツの制作を行ってきた実績もあり、日本市場でも同様のアプローチで臨んでいきたいと考えています。デジタルコンテンツの最先端を走り続けてきたアティカス・デジタルとしては、仮想現実・拡張現実テクノロジーのパイオニアとしての自負と矜持を保ちながら、日本でも独自の市場開発や需要創造を積極的に進めていくことができるものと確信しています。

ー どうも、ありがとうございました。


“日本市場でも最高水準の製品とサービスを提供”


1981年の創業以来、石油・ガス、海運、防衛、トンネル・地下鉄、発電などの分野で活用される信頼性の高いHVACダンパーの設計・製造で、国際的な評価を獲得してきたフラムガード・カリデアエンジニアリング。ウェールズからの貿易使節団の一員として来日した同社のシュレシュ・マラン事業開発ディレクターに、その製品や事業戦略、日本市場でのビジネス展開などについて語っていただきました。

ー まず、HVACダンパーという製品について、ご説明いただけますか。
ダンパーというのは、ボイラーなどの煙道や空調装置などの通気道に設置して、煙の排出量や空気の流量を調節する装置です。HVACは、“Heating Ventilation and Air Conditioning”という言葉の頭文字を取ったものですから、HVACダンパーとは、「暖房、換気、および空調のためのダンパー」という意味になります。

ー 具体的には、どんな使われ方をするのでしょうか。
例えば、ダンパーの最も代表的なものとして、防火ダンパーがあります。建物や室内の空調や換気を目的とするダクトの内側に設置して、火災が発生した際には、熱い空気の噴出を防いだり、延焼を防止するために使われます。その仕組みと構造は、設置されるダンパーごとに溶融温度が調整されており、設定温度を超えた空気が流れるとヒューズが溶けて、自動的にダンパーが下がることにより、ダクト内を通る火炎や煙を遮断することができるわけです。

ー 防火ダンパー以外には、どのような種類のダンパーがありますか。
フラムガード・カリデアでは、防火/防煙ガスダンパーをはじめ、高温シャットオフ・トンネル/地下鉄換気ダンパー、除湿・除塩システムダンパー、風量調節ダンパー、避圧・逆流防止ダンパーなどの製品ラインナップが用意されています。

ー 避圧ダンパーというのは、どういう用途で使われるのでしょうか。
様々なネットワークの心臓部とも言えるデータセンターのサーバールームなどでは、ガス系の消火設備が設置されていますが、従来の消火設備ではオゾン層を破壊する物質を放出するため、最近は、新たなガス消火設備が利用されるようになってきています。この新たなガスの場合、これまでのガス系消火設備に比べると消火剤の量が多くなると同時に、放出時間も短くなっていることから、放出区画内の室内圧が急速に上昇して壁や窓などに破損の恐れが出てきますので、ガスを放出する際に圧力を屋外に逃がす必要があり、そういうケースで利用されるのが避圧ダンバーです。

ー 国際的にビジネスを展開されているそうですが、ウェールズや英国以外で主な市場となっているのは、どんな国・地域ですか。
ドバイやクウェート、オマーン、アブダビ、サウジアラビアといった中東地域では、早くからパートナー提携を通じてビジネスを行ってきていますし、米国でも複数の企業とパートナー提携を結んでいます。アジアでも、既に、シンガポールやマレーシア、韓国などでビジネスを展開しています。

ー 世界的な評価を得ている理由を、教えてください。
幅広い市場分野で利用されているフラムガード・カリデアの製品は、常に最高の品質を維持しており、それを支えているのが研究と試験、開発に注ぐ力、従業員に対する適切な訓練などです。特に、空調用ダンバー技術で最先端を走り続けてきていることが、世界的に評価されている大きな理由になっていると思います。

ー 日本市場でのビジネス展開については、どのように見通していらっしゃいますか。
フラムガード・カリデアの技術は、国際的に見ても、自他ともに認める業界トップクラスです。その確かな品質とイノベーションを通じて、40年近くにわたりグローバル市場で最高水準の製品を供給してきており、常に最高のサービスとカスタマーケアを提供することで、着実にビジネスを拡大してきました。ロールスロイスやシェル、ブリティッシュガス、エクソンモービル、ジーメンス、ペトロブラス(ブラジル石油公社)など、世界的なブランドの企業を顧客としてきている事実が、フラムガード・カリデアの技術と信用を裏付けていると言えます。ですから、最適なパートナー企業と提携することで、日本市場でも必ずや成功を収めることができると確信しています。

ー 日本市場でビジネス展開を行っていく上で、フラムガード・カリデアの強みはどういったところにあるとお考えですか。
チームワークとカスタマーサービスに重点を置いて、熱意とやる気のある人材を大切にすることだろうと思います。その社風や企業文化は、日本の会社と近いものがあるかもしれません。それから、言うまでもないことですけれども、事業を行う上で、安全性と環境への配慮を怠ることがないよう、万全の体制を整えています。40年近くにわたって培ってきた技術と品質、そして、常に業界をリードしてきた製品とカスタマーサービスは、クォリティの高い日本市場でもきっと評価していただけるものと考えています。

ー どうも、ありがとうございました。

ニュース特集|~RWC史に確かな足跡を刻んだウェールズ代表~

|NEWS|
各地との交流でウェールズの好感度大幅アップ
代表チームによる3大会ぶり「ベスト4」も後押し

1987年の第1回ラグビーワールドカップ(RWC)以来となる3位には惜しくも届かなかったものの、2011年の第7回RWC以来3大会ぶりのベスト4入りを果たしたウェールズ代表。「優勝」を目指して死力を尽くした選手たちには必ずしも満足できる結果ではなかったかもしれませんが、レッドドラゴンズの健闘ぶりは、合宿地や試合会場となった各都市とウェールズとの活発な交流とも合わせて、日本におけるウェールズの認知度と好感度を大幅にアップする効果をもたらしました。
予選プールDに入ったウェールズ代表の試合会場となった愛知県豊田市、東京都調布市、熊本市、大分市の4都市、公式キャンプ地となった大分県別府市と滋賀県大津市、そして、事前合宿地となった福岡県北九州市では、それぞれの県庁や市役所をはじめとする地元の関係機関とともに「RWC2019 日本大会」を盛り上げることに努め、各地における積極的な交流ぶりは多くのメディアにも取り上げられ、大きな話題となりました。今回のRWC日本大会に出場した各国の中でも、間違いなく日本での自国プロモーションに最も成果を残したと言えそうです。
豊田市と熊本市では、それぞれの市内にある百貨店でウェールズの“Food & Drinkフェア”や“ウェールズフェア”を開催。女声合唱団によるウェールズ語での国歌などの斉唱が披露されたほか、催事場でのウェールズからの輸入商品の紹介や百貨店内のレストランでのウェルシュ・ラム料理の提供なども行われました。

大分市の百貨店で開催された「英国展」でも、「ウェールズコーナー」でウェールズゆかりのグッズを出品。大分市で開催された予選と準決勝でのウェールズ代表チームの活躍により、レッドドラゴンの関連グッズが人気を集めました。また、市内の酒店では、ポール・マデン駐日英国大使による「ウェルシュ・ラム」のプレスイベントが開催されるとともに、市内にある大規模商業施設のレストランでもウェールズ政府主催による「ウェルシュ・ラム」ディナーイベントも実施。大分県知事夫妻をはじめとする関係者を招待し、“プレミアムラム”の魅力を発信しています。

|NEWS|
RWCで深まったウェールズと北九州の絆
相互に地元紙で「感謝」の全面広告を掲載

「ラグビーワールドカップ(RWC)2019 日本大会」は、決勝でイングランドを破った南アフリカが3度目の優勝を果たして幕を閉じました。強豪国ではない国で初めて開催されたRWCは大成功に終わり、決してラグビーというスポーツ文化が根付いているとは言い難い日本で、“にわかファン”も含めてラグビー人気の盛り上がりが続いています。
今回のRWCでは、国内各地で出場した各国の代表チームと合宿地や試合開催地の地元の人々との交流も大きな話題となりました。
特に、ウェールズ代表チームの事前合宿地となった北九州市では、大会直前の公開練習に1万5000人もの北九州市民が集まってウェールズの国歌である「Hen Wlad fy Nhadau(我が父祖の土地)」を斉唱し、代表チームの選手や関係者を感激させました。その様子は、地元ウェールズの日刊紙“Western Mail”のオンライン版である“Wales Online”が動画を公開したほか、SNSでも多くの人が発信して世界中のラグビーファンを驚かせています。
大会前の2年間にわたって行われた交流事業でも、ウェールズラグビー協会などの関係者と北九州市民の交流が活発に繰り返され、ウェールズ代表チームは大会最終週に行われた3位決定戦まで試合をするという大活躍を見せました。大会終了後の11月2日には、ウェールズラグビー協会が全国紙の地域版に全面広告を掲載して北九州市民に感謝を伝え、そのこともまた新聞やテレビのニュースでも取り上げられるなど、話題を集めています。
さらに、北九州市は11月7日、同市で事前合宿を行ったウェールズ代表チームや関係者に謝意を表明するため、ウェールズの日刊紙“Western Mail”に全面広告を掲載したと発表。ウェールズのチームカラーである赤い円の中に「ありがとう」という言葉を入れた全面広告について、北九州市は「ウェールズの広告に応えて、絆を強めたい」と説明しており、双方向の交流がさらに深まることが期待されます。

編集後記

3位決定戦で優勝した南アフリカに敗れこそしたものの、RWCの最終週まで国内のみならず世界中のラグビーファンを楽しませてくれたウェールズ代表チーム「レッドドラゴンズ」。RWC開催期間中に来日したウェールズ貿易使節団に参加していた各企業も、今回のRWCでのレッドドラゴンズによる大活躍でウェールズの知名度も一気に高まったことを受けて、今後の日本市場でのビジネス展開にも大いに拍車がかかるものと期待されるところです。

次号は2019年11月15日に発行予定です。お楽しみに!

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