ウェールズの自然や歴史、風土が育んだユニークな気質と文化|Wales Now Vol.44

発行日:2018. 7. 13

ウェールズのリアルタイムな情報を隔週でお届けします。


“自立心の強い人々が活気を生み出す小さな町”


加藤真理子さん

自作の靴を手にする加藤真理子さん

ウェールズの中西部に位置する小さな町・マッキンリーで靴職人として修業し、郷里の佐賀県基山町で靴工房“MarikoK”を営む加藤真理子さん。採寸からデザイン、縫製、仕上げまでの全工程を一人で行う加藤さんが作る靴は、発注した一人一人の足のサイズや形にジャストフィットする「世界に一足だけの靴」です。加藤さんにウェールズでの修行時代や靴職人としての心構えなどをお話しいただきました。

ー 加藤さんとウェールズとの出会いについて、お聞かせください。
もともと靴関係の仕事をしながら、趣味でも靴づくり教室に通っていたのですが、その教室の先生がロンドンで靴づくりの修行をしたこともある方で、英国の田舎の方で一人で靴を作っている女性がいるという話を聞かせていただきました。インターネットで映像を見たら、すごく素敵な靴をつくっていらっしゃったので、その方のところへ行きたいということで、ワーキングホリデーのビザを取って英国に行きました。

加藤真理子さんと師匠たち

加藤さん(中央)と師匠のルースさん(右)、ルースさんの師匠のアランさん(左)

ー それは、いつのことだったのでしょうか。
2015年の2月です。しばらくロンドンの語学学校で英語を勉強しながら、ウェールズのマッキンリー(Machynlleth)という小さな町で靴づくりをしていたルース・エミリー・デイビー(Ruth Emily Davey)さんという女性の靴職人に連絡を取り、最初は工房見学ということで彼女のところへ行かせていただきました。そこで、弟子入りをさせていただけないでしょうかというお話をして、実際に彼女の元で修行を始めたのは、2015年の10月からでした。

ー ルースさんの工房で仕事を手伝いながら、修行をされたわけですか。
そうです。8月くらいに彼女の工房へ行ったら、まだ、1歳くらいの小さなお子さんもいらっしゃいました。ルースさんは18歳くらいから、ウェールズの別の町で工房を開いていたアラン・ジェームズ・ラッドンさんという年配の男性靴職人のもとで修業をした後、マッキンリーで自分の工房を開いたのですが、私が訪ねた時は、仕事も軌道に乗ってオーダーも沢山来るようになっていて、一人では追いつかないという事情もあり、弟子入りさせていただくことになりました。

加藤真理子さん_02

靴を製作する加藤さん

ー 加藤さんご自身、もともと、靴職人を目指していらっしゃったのでしょうか。
いいえ、私は佐賀県の基山町というところの出身で、九州の大学を出た後、東京のイベント系の会社に就職して、営業職の仕事をしていたのですが、ハイヒールで営業に回っていて足を痛めてしまい、それをきっかけに「足に優しい靴って、どういうものなんだろう」と考えるようになりました。半ば、趣味で色々と調べ、靴のセミナーにも行ったりしたのですが、整形外科で治療を受けた方が履く整形靴というものがあることも知り、3年ほど勤めたイベント系の会社を辞めて、靴の専門学校で1年勉強しました。その後、整形靴の製造会社で仕事を始め、趣味で靴づくりの教室にも通っていたことが、ウェールズでの修行につながりました。

ー 靴職人としてのルースさんに惹かれた理由は、どんなことだったのでしょうか。
つくっている靴そのものやデザインに惹かれたということもありますけれども、靴工房のある場所がロンドンではなく地方だったということに、特に、惹かれました。それも、ウェールズの田舎で、若い女性が一人でやっていらっしゃるということに、とても感銘を受けて、ルースさんの生き方に憧れてしまったようなところもあります。整形靴の靴づくりの経験もあって、即戦力としてルースさんの仕事を手伝わせていただき、彼女のノウハウやスキルを学ばせてもらうことが出来ました。

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加藤さんの製作した靴

ー ウェールズでの靴職人としての修行期間は、どのくらいだったのですか。
1年半です。2017年の3月に帰国して、郷里の基山町で靴工房を始めました。基本的にオーダーを受けて、靴をつくるという受注生産のため、まだ、お客様の9割以上が佐賀県内の方々ですけれども、将来的には広げていくことができればと考えています。私の師匠のルースさんにしても、ルースさんの師匠であるアランさんにしても、メールオーダーという形で、かなりの受注もしていて、そのことも、田舎の工房での靴づくりを可能にしていたと思います。ルースさんの場合は、メディアに取り上げられたり、賞を受けたりして、飛躍的に注文が増えてきたのですが、それまでは、かなり苦労していたようです。私も、今は、地元のメディアに広告を出したりしていますが、今後は、全国のクラフトマーケットなどにも出展したいと考えています。

ー お客様は、どういった方が多いのでしょうか。
ほとんどが中高年女性の皆さんです。外反母趾とか偏平足などで、自分の足に合った靴を探している方が多く、病院で診察してもらってつくるほどではないけれども、自分だけの履きやすいオンリーワンの靴をオーダーメードで作ることができるという点を評価していただいているようです。サイズとかデザインにもよりますが、一足当たりの価格は5万円前後で、決して安くはありませんけれども、修理をすれば、一生履くことも出来ますから、勇気を出してオーダーする方も多いかもしれません。英国や欧州では、靴や服はオーダーメードという文化が定着していて、良いものを長く使うという精神が根付いていますけれども、日本でもそういう考え方をされる方も増えてきているのかもしれません。

靴_02

ユニークなデザインの「世界に一足だけの靴」

ー 修行で1年半を過ごしたウェールズには、どんな魅力を感じていらっしゃいましたか。
とにかく、自然も町も美しく、空の青さや山の緑、古くて歴史を感じさせる建物など、どれも魅力に溢れています。そして、何よりも、色々な仕事を掛け持ちしたり、インターネットを通じて仕事をしたり、創作活動を行ったり、人々が自由な働き方をしていることが印象的でした。田舎なので、近くに大きな会社がないということもあるのかもしれませんが、そういう自立心の強さとも言うべきものに感銘を受けました。マッキンリーには、エコや環境問題をテーマに研究や教育を行う施設があり、小さな町なので、その施設に関わる仕事をしている人も非常に多く、英国だけでなく欧州から沢山の若者が勉強のために来ていて、田舎の小さな町でも活気に溢れていたのも忘れられません。

ー どうも、ありがとうございました。


“自分の運転で体感する素晴らしいウェールズの魅力”


自動車フリーマガジン“KURUMAG.”の編集長・クリエイティブディレクターも務めるモータージャーナリストの石川茂幸さん。クルマの楽しさのひとつとしてロードトリップ企画も充実している“KURUMAG.”の取材・撮影でウェールズを訪れ、帰国したばかりの石川さんに、クルマ目線で見たウェールズの魅力をお聞きしました。

石川茂幸さん

石川茂幸さん

ー 簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。
1973年に東京都で生まれました。モータージャーナリストとして、日本自動車ジャーナリスト協会と日本モータースポーツ記者会に所属しており、現在は、編集長・クリエイティブディレクターとして“KURUMAG.”と“SOULREDMAG.”を制作・プロデュースしています。

ー “KURUMAG.”について、ご説明いただけますか。
“KURUMAG.”は2013年9月に創刊された自動車フリーマガジンです。これまでにない視点や表現、そして、流通にもチャレンジを続けている媒体で、高速道路のサービスエリアを中心に、これまで約500万部を発行してきています。従来の自動車専門誌が主に購入検討期間に伴走しているのに対して、“KURUMAG.”は保有期間に伴走することで、クルマの楽しみ方や面白さを伝えています。クルマを移動の道具としてだけでなく、もっと楽しむためのものとしてのきっかけづくりを行い、クルマを楽しむという経験によって、次のクルマ選びや将来のクルマとの生活をより素晴らしいものにしていただければと願っています。

ー 媒体として、そのコンテンツや表現など、特徴を教えてください。
実際に世界中を取材・撮影したコンテンツをメインにしており、25〜35歳くらいの若年世代を対象に、女性にも受け入れてもらえる表現やデザインにこだわっています。カーカルチャーの中心人物や新たなトレンドを牽引するキーマンなどを取り上げさせていただき、実際にクルマを楽しんでいる人々のリアルな声を誌面に反映して、読者の皆様により本質的なクルマの魅力を伝えることができればと考えています。

ー 媒体としての流通へのチャレンジとしては、どういった試みをされているのでしょうか。
書店流通ではなく、実際にクルマを利用する人々、クルマを楽しむ人々の動線上での無料配布を行っています。クルマで100%訪れることになる高速道路のサービスエリアでの配布が象徴的と言えると思いますが、創刊当初から現在まで一貫して継続してきています。より気軽に手に取っていただき、何度も読んでもらえるように、質感や重量といったプロダクトとしての細部にもこだわって制作しています。

ー 海外での取材も多くいらっしゃるのですか。

“KURUMAG.”の企画立案から取材、制作までの全般的な業務を担当していますので、実際に世界中を走り回って、現地の空気を体感したり、人々に出会ったりしながら、そうした行動を通じて得られた感動を全て誌面に反映しています。これまで海外取材でクルマを運転してきた距離は4万kmに及び、ほぼ地球1周分を走行した計算になります。クルマの本を制作していますが、熱狂的なクルマ好きというわけではなく、むしろ、何百人という人々が何年もかけて開発し、さらに、その製造や流通にも何百人という人々が関わり、何十万台あるいは何百万台と量産され、世界中の人々を楽しませているクルマというプロダクトそのものに惹かれているのです。1台のクルマには、つくる人から使う人まで様々な人々の無数の想いが詰まっています。“KURUMAG.”を通じて、そうした人々の想いを伝えていくことができればと思っています。

ー 今回のウェールズでの取材は、どういう経緯で実現されたのでしょうか。
“KURUMAG.”では、ロードトリップもクルマの楽しさのひとつと捉えており、これまでもアメリカ西部や東部でのドライブ企画も制作しています。実は、ヨーロッパでの企画もいつか実現したいという想いはずっとあって、“KURUMAG.”の創刊以前に、自然や文化、歴史、産業などに興味があった英国には何度も足を運んでいました。その中でも、特に、印象に残っていたのがブレコン・ビーコンズ国立公園を中心とするウェールズ南部で、いつか、その素晴らしさを伝えたいと思っていたのですが、今回、ご縁があって、ウェールズのロードトリップ企画を実現することができました。

ー 企画内容のポイントについて、教えていただけますか。
ウェールズ政府が発行している“The Wales Way”という冊子には、ウェールズでドライブを楽しむための「旅のパーツ」がたくさん紹介されており、このパーツを上手に組み合わせて、実際にクルマで走ると見えてくる風景や感動を伝えることを通じ、ウェールズの魅力をより深く知ってもらえるはずだと考えました。ですから、“The Wales Way”と“KURUMAG.”を併読していただくことを想定した企画としてまとめています。取材では、実際にウェールズを愛する現地の方にお勧めのドライブルートを教えていただいたほか、ウェールズと自動車産業との関りにも触れて、注目の高まるウェールズをクルマという視点から紹介しています。

ー ウェールズ取材でのご苦労や思い出などをお聞かせください。
今回は8日間の日程でウェールズ各地を巡り、およそ3000kmの距離を走りました。好天にも恵まれて、美しい風景を堪能することも出来ましたが、取材や撮影はそれなりに過酷なものです。例えば、マッハループでは、戦闘機の写真を撮影するのに4時間以上もかかっています。当日は飛行演習が少なくて、4時間も待って訪れたチャンスは1度だけ。絶対に失敗できないというプレッシャーと緊張の中で、カメラを抱えてひたすら丘の上で待ち続けるのは、決して楽なものではありません。また、ペン・イ・ファン山頂での撮影も、機材を抱えて数時間の登山を行っています。今回の“KURUMAG.”に掲載されている小さな写真の中には、相当の時間を費やして撮影されたものも少なくありません。また、実際に、現地を走りながら取材するには、速度調整に慣れるまでのプロセスも大変です。交通量が少なくて、走りやすい場所ではありましたけれども、制限速度は、50マイル、30マイル、20マイルとめまぐるしく変わります。地元の人たちは、絶妙な速度調整によって結構良いペースで走りますので、美しい景色を探しながら、制限速度の看板を確認しつつ速度を調整し、スピードカメラにも気をつけて、地元の人たちの迷惑にならないように、次の撮影スポットに向かってクルマを走らせるのは、苦労したことのひとつです。もうひとつ、地名の難しさにも苦労しました。カーナビに目的地を入力するのも、地元の方に場所を聞くのも、ウェールズの地名は本当に難しいのです。暗号を解く感じで楽しめるようになるまで、初めの数日はとても苦労しました。

ー ウェールズには、どんな感想をお持ちになりましたでしょうか。
自然、歴史、文化とどこを切り取っても、ウェールズは素晴らしい場所だと思います。旅のプランを立てる段階からワクワクさせられますが、実際に現地に足を運べば、その何十倍も楽しめるのではないでしょうか。ゆったりとした時間の流れを感じながら、のんびりと巡るウェールズのドライブは、一生の思い出になるはずです。ツアーバスで巡る旅も良いと思いますけれども、ぜひ一度、ご自身の運転でウェールズを楽しんでいただきたい。「クルマで旅をする素晴らしさとは何か?」という問いへの答えを必ず見つけられると思います。

石川さんの印象に残った地元料理ベスト3

石川さんは今回の“KURUMAG.”取材でウェールズのほぼ全域を巡っていますが、「どこもとても素晴らしく、記憶にしっかりと残っていて、その中から一番を選ぶのは難しい」と述懐しています。その石川さんが「特に印象的だった食べ物」として、「今まで食べたラム料理のなかで最高においしかったラム(とろけるラム)」、「地元の人たちさえ長蛇の列をつくる絶品のフィッシュ&チップス」、「日本でもファンの多いウェルシュ・レアビット(ポーチド・エッグのせ)」を挙げていますので、ご自身が撮影されてきた画像で紹介します。

ウェールズを訪れたら必ず食べたい“ウェルシュ・レアビット”(ポーチド・エッグのせ)

テンビーにあるホテル “Parsonage Farm Inn” の格別なラム料理

アングルシー島のモイルブレにあるフィッシュ&チップス店 “Coastal Cafe” の絶品



“「不思議の国ウェールズ古城街道」で旅行会社による視察ツアー”
<後半>


日本旅行業協会(JATA)による「ヨーロッパの美しい街道20選」に認定された「不思議の国ウェールズ古城街道」「イングランド田園街道(ラグビーの聖地カーディフ[ウェールズ]からラグビー[イングランド]への道)」の2街道を対象とする現地視察ツアーが、主要旅行会社のヨーロッパツアー造成担当者などを対象に、6月3日から9日までの7日間の日程で実施されました。今号では、現地視察ツアーの前半を紹介した前号に続いて、同ツアーの後半をレポートします。

本物のスレート鉱山の世界を体感

近々オープン予定のホテル「カエリン・ホール」でピクニックランチを味わった後、ツアーの一行はさらに南下して、バスで約1時間ほどの「ブレナイ・フェスティニオグ」地帯に到着。ここは、世界屈指の良質なスレートが産出された鉱山としての歴史を持ち、現在は“Deep Mine Tour”と“Zip Titan”という2つのアクティビティを体験できます。
“Deep Mine Tour”は、過酷な地底環境で実際にスレート鉱山で働いていた経験を持つガイドの案内により、本物のスレート鉱山の世界を体感します。凍えるような暗闇の中で、命を削りながらスレート鉱山での一生を終えた炭鉱夫の悲哀を知ると同時に、幻想的でダイナミックな地底体験を味わうことができます。
“Zip Titan”は、斜面に設置された全長2km以上のジップラインと呼ばれるワイヤーに着座姿勢でぶら下がり、時速112km以上で滑空するアトラクションで、同時に4人まで楽しめます。壮大な山の景色に臨んで滑空するスリルに溢れた体験ですが、知識の豊富なスタッフのサポートによって、安全性が確保されています。

また、今回の視察ツアーでは、閉館時刻を過ぎていたため体験できませんでしたが、“Bounce Below”と呼ばれるトランポリンワールドもあります。セントポール寺院がすっぽり入るほどの広さがある地底の洞窟には、最大150人が遊べる3層のトランポリンが用意されています。
視察ツアー3日目の宿泊地は、北ウェールズのグヴィネズ地区の観光スポット・ポートメイリオンでした。1925年から1975年まで50年の歳月をかけて建築されたイタリア風のテーマヴィレッジで、建築家のクロー・ウィリアム=エリスが私財を投じたものです。映画「ザ・ヴィレッジ」や「ザ・プリズナー」の撮影地としても知られています。
ヴィレッジの中にある可愛らしい一つ一つの建物がコテージとして宿泊でき、それぞれが全く趣の異なるレイアウトとインテリアで様々な雰囲気を味わうことができます。
ヴィレッジの見どころは、干満差が13メートルにも及ぶという海の絶景です。どこまでも続く遠浅の砂浜と満ち潮で青々と波打つ波の海という2つの景観が楽しめます。スリン半島の付け根の部分には、周辺の山々から豊富な水を集めたグラスリン川が流れ込み、スリン半島側から見るトレマドッグ湾には、対岸のスノードニア山脈を背景に、川の流れによって運ばれてきた土砂の堆積する浅瀬へと海水がひたひたと打ち寄せる素晴らしい光景が広がります。ポートメイリオンは、こうした風光明媚な土地の特徴に着目した建築家が、自ら生涯の夢を託して誕生した別天地なのです。

歴史と伝統を体現するカナーヴォン城

研修ツアー4日目には、ウェールズ西部のポーツマドッグという古い歴史を持つ港町を訪ねました。
ウェルシュ・ハイランド鉄道の蒸気機関車に約1時間ほど乗車し、右手にスノードニア国立公園の山々、左手に田園風景を眺めながら、時折り通り抜けるトンネルで煙にむせぶこともある汽車旅です。
カナーヴォンの駅に到着すると、目の前に雄大なカナーヴォン城が聳え立ち、圧倒される景観が広がります。
英国の第一皇子が戴冠式を行うカナーヴォンは、エドワード1世の時代から続く伝統と歴史の町であり、カナーヴォン城こそウェールズとイングランドの友好のシンボルとも言うべき存在なのです。
実際に城の中に入ると、その荘厳な雰囲気に息をのみ、塔の上から臨む海をはるかに見下ろす景観は、決して忘れることはないであろう雄大かつ神聖な雰囲気を醸し出す神々しさに溢れており、名実ともに歴史と伝統を体現する名城であることを実感させます。
その荘厳さに圧倒されて言葉を失った一行は、カナーヴォン城に続いて、世界遺産のビューマリス城、世界でも屈指の品質で高級シーソルトとして知られるアングルシー・シーソルトのスタイリッシュなデザインの工場、希少価値のウミガメを救ったことで名を馳せたアングルシー・シーズー(海獣・水族館)といった近隣の施設を見学し、宿泊先となるアングルシーの古城ホテル「シャトー・リンファ」に向かいました。
5日目は早朝にホテルを出発し、世界で一番長い名前で知られる「スランヴァイルプールグウィンゲルゴウゲイルウクウィールンドロブウーリスランダスイリオゴゴゴッ(渦巻のある急流のそばの白い樫木の空洞にあるセント・メアリー教会と、赤い洞窟にあるセント・ティシロ教会)」駅に立ち寄って、研修ツアーにおける北ウェールズ部分の行程を終えました。

“美味しい旅”を体験できるツアー商品の造成を
今回の研修ツアーで添乗を務めていただいた旅先案内人の方から、研修ツアーに参加した旅行会社でツアー商品を造成するプロフェッショナルの方々に向けて寄せられたメッセージを紹介します。

「『不思議の国ウェールズ古城街道』を辿り、絶景・感動・興奮、そしてウェールズを愛する地元の方々との交流をご体験頂きました。使節団の皆様からは、「ウェールズの食事が想定外に美味しかった!」という声が多く聞かれました。
春の訪れを告げる「スプリング・ラム(子羊料理)」、岩海苔・ブルーロブスター・コンウィのムール貝など新鮮で豊富な「シーフード」や「ベジタブル」、蕩けるようなバター・チーズなどの「濃厚な乳製品」、地ビール、ワイナリー、シングルモルトウィスキー、いまホットでおしゃれなジン、などなど。
3面を海に囲まれ、過酷な自然環境の中で育つ栄養分豊富な草や木々、地底で太古の昔からはぐくまれたミネラルウォーター、自然の共存のなか
育まれた新鮮な食材の高いクォリティー。皆様から「現地でしか味わえない新鮮なフード&ドリンクの感動も旅の醍醐味の一つですね」と共感頂きました。
心にも胃袋にも「美味しい」旅を、ウェールズで体験頂けるような素晴らしいツアー商品を造成頂きたいと願っております」

|NEWS|

◎コンウィ城と姫路城が「姉妹城提携」で覚書交換
来年10月にラグビーW杯開催の日本で正式調印へ

姫路市の石見利勝市長とコンウィ市のサマンサ・コットン市長は7月6日、姫路城とコンウィ城による姉妹城提携の実現に向けて覚書を取り交わしました。
姫路城とコンウィ城は何れもユネスコの世界文化遺産に登録されており、姉妹城提携の正式調印と式典は、日本でラグビーのワールドカップが開催される来年10月に行われる予定です。
英国内にある城による姉妹城提携はコンウィ城が初めてで、英国の城郭史に新たな1ページが加えられることになります。
今回の姫路市とコンウィ市による覚書交換の式典はコンウィ・ギルドホールで開催され、コットン市長は式典に先立って、石見市長を城壁に囲まれたコンウィの町へ案内、両市長はともに散策を楽しみました。
今回の姉妹城提携については、ウェールズ政府日本事務所が姫路市観光局に打診し、北ウェールズに進出しているハヤカワ電線工業(本社・姫路市)などの後押しも受けて、双方が取り組みを開始。その後は、ウェールズ観光局や英国総領事館など関係方面との連携を図り、1年越しの調整を経て覚書交換にいたりました。
2019年の正式調印に向けて、具体的な準備はこれから本格化しますが、“Wales Now”でも今後の展開を詳細に伝えていきます。

[コンウィ城(北ウェールズ・コンウィ市)]
13世紀にイングランド国王のエドワード1世がウェールズの反乱軍鎮圧のために建造。コンウィ市は城壁で囲まれた旧市街を中心に発展し、現在も中世の面影を往時のまま残しており、欧州でも最も保存状態の良い古城として知られています。エドワード1世によるウェールズ征服の拠点として建てられたカナーヴォン城・ハーレック城・アングルシー城などとともに「アイアン・リング」を形成する城のひとつでもあります。コンウィは2015年、日本旅行業協会(JATA)による「ヨーロッパの美しい村30選」に英国から唯一選定されたのに続き、2017年にはJATAによる「ヨーロッパの美しい街道20選」に選定された「不思議の国ウェールズ 古城街道」を彩る代表的な城として、日本でもデスティネーションとしてのウェールズのアイコン的存在として注目を集めています。

[姫路城(兵庫県姫路市)]
国宝・姫路城は1993年12月、奈良市の法隆寺などとともに日本で初めての世界文化遺産として登録。江戸時代初期に建てられた天守や櫓などの主要建造物が現存し、その多くは国宝や重要文化財に指定されています。日本の木造建築にあって美的完成度が最も高いこと、櫓・門・土塀なども良好に保存されており、日本独自の城郭建築構造を伝える城として、代表的な存在となっています。映画007シリーズの「007は2度死ぬ」(1967年公開)では、ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーとともに丹波哲郎や浜美枝も出演し、映画でロケ地となった姫路城は「本物の城」として世界的にも知られるようになりました。

「English UK ウェールズ視察ツアー」実施
留学エージェントの担当者を対象に9月2日から10日まで

 9月2日から10日までの9日間にわたり、留学エージェントの担当者を対象とする「English UK ウェールズ視察ツアー」が実施されます。
このツアーは、ロンドンで開催される“Study Worldフェア”をはじめ、ウェールズでの語学学校訪問などが予定されています。
また、教育には欠かせない美しい自然や豊かな環境、歴史的な遺産巡りも体験できます。
視察ツアーの実施要領は、次の通りです。

【実施要領】
費用  :無料(宿泊施設、交通機関・食事含む)
募集人数:15人(留学エージェントから1人ずつ、15社から募集)
特典  :“Study Worldフェア”(9月3日~5日にロンドンで開催)への無料参加
締め切り:2018年8月12日(日)

※申し込み多数の場合、基本的に先着順で受け付け。申し込み後に審査・選考するシステムではありませんが、送客実績のない企業はご遠慮いただくケースもあります。また、今回の視察ツアーに参加される場合、2018年9月2日または3日にロンドンに到着してください。視察ツアーは9月10日にマンチェスターで解散となります。日本から英国への航空運賃は各自負担です。ツアー日程についての日本語での問い合わせは、shoko@celticenglish.co.uk へ。

編集後記

人口が3000人にも満たない田舎の小さな町に、英国内だけでなく欧州各国や世界中から人々が集まるウェールズの奥深い魅力は、その自然や歴史、風土が長い歳月をかけて育んできたユニークな気質や文化が醸し出すものかもしれません。

次号は7月30日に発行予定です。お楽しみに!

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